日本共産党の仁比聡平参院議員は11月13日夜、臨時国会の合間をぬって熊本市入りし、国政報告会を開きました。9中総で候補者決定されて初の演説会。自公退場後の新しい国会で果たす日本共産党の「建設的野党」としての役割を、くらし・福祉、平和をめぐる問題について、1時間、熱弁をふるいました。仁比氏の呼びかけに応え、3人が会場で入党しました。

 演説のなかで仁比氏は、民主党政権について「旧来の政治から抜け出すべき一番要の問題で、具体的方策を打ち出せていない」と指摘しました。

 農産物自由化や子ども手当、高速道路無料化など「間違ったマニフェスト至上主義」におちいった民主党政権に対じし、「みなさんと思いを一つに民主党政権に迫り、政治をかえるため全力をあげる」と決意表明しました。

 深刻化する雇用問題について仁比氏は、3割程度にとどまっている高校生の就職内定率を例に、大企業の内部留保のため込み、社員の「非正規化」を厳しく批判。大企業本位の政治からの転換を訴えました。

 10日の参院予算委で鳩山首相が「(労働者派遣法の違反事例がないよう)積極的に動いてみたい」と答弁したことにふれ、「自公政権ではありえない答弁だ」と評価。同時に、「この答弁を引き出したのは、私の質問ではない、みんなのたたかいの力だ」と強調し、労組に結集したたかう労働者を激励しました。

 後期高齢者医療制度について「鳩山首相は〝75歳で人を区別するのは信じられない発想だ″といったが、信じられない制度をこれから2年も続けることの方がよほど信じられない」と皮肉り、同制度の即時廃止を要求。「お金のあるなしで命を差別する(自公)政治に審判を下したのだから、今度は生存権が保障される政治をつくっていこう」と呼びかけると、会場から大きな拍手が起きました。

国会の質問がNECを動かす

 10日の参院予算委員会で、仁比聡平参院議員の質問で取り上げられた、NECセミコンダクタ-ズ(錦町)――。同社を解雇されたのち、熊本県労連に結集し、偽装請負を告発。現在、直接雇用を求めてたたかっている柴田勝之さん(30)が13日に熊本市内で開かれた演説会で登壇し、心境を語りました。

 「(質問時間が)12分のなかで、これだけの答弁を引き出してもらって本当にうれしかった。これまでNECと団体交渉しても直接雇用の意思はなく、わずか50万円の解決金で、かたをつけようという誠意のない態度で、社会的責任を果たさない姿勢でした。今度の質問に動揺したのか、NECから『交渉したい』と連絡がありました。これまで一度もそのような連絡はなかったが、この質問があって(初めて)向こうから連絡があった。仁比さんの国会質問は大企業を動かすインパクトのある質問だった。鳩山首相の『積極的に動きたい』という答弁で、具体的に前に進みそうな気がした。NECだけでなく、他の大企業の雇用問題全般に波及すると感じています」(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月15日)