日本共産党の長崎県委員会は11月12日、政府交渉を行い、国土交通省に無駄な公共事業の中止を迫りました。石木(いしき)ダム、本明川(ほんみょうがわ)ダムなどの建設中止を求めました。日本共産党の仁比聡平参院議員も参加しました。

 同県川棚町に建設が計画されている石木ダムは総事業費285億円の県営ダム。2016年度末が事業終了目標。反対地権者らが座り込みで抗議を行うなか、県知事は事業認定申請を行いました。国交大臣はコメントで、国の補助を受けている都道府県営ダムについて、国としても必要性の検証を加える意向を示しています。

 国交省の担当者は事業認定の経緯について「説明の糸口がつかめず、こう着状態のため、糸口をつかむため」と聞いているとしました。利水については佐世保市が水需要は適切で事業を計画してよいとしているとしました。

 「ダムが本当に必要か見極めていただきたい」「水は足りているというのが実態だ」。山下千秋佐世保市議は、市の水事情の資料を示し、たたみ掛けました。資料によると、市の1日平均給水量は8万㌧を超える程度。1998年からの10年ほどの使用量は横ばいです。しかし、需要予測は右肩上がりとなっており、工業用水では2倍になるとしています。根拠は示さないまま過大に予測されています。

 山下市議は「国交省の独自の分析や考察がされていない。事業で水道料金は一気に3割値上げも提案されている」と迫りました。

 諫早市の本明川ダム建設計画は大臣が新たな工事の段階には入らず検証を打ち出している国や水資源機構の48のダム事業の一つ。担当者は年内をめどに個別のダムについて基本力針が示されるとしました。

 西田京子諫早市議は「関係する周辺の工事は進められダムありきでやられていると感じる」と訴えました。

 要望は堀江ひとみ長崎県議、中西敦信長崎市議、久野正義大村市議、久保田和恵川棚町議らも行いました。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月13日)

まず諫早開門決断を/党長崎県委と赤嶺氏 農水省に要望

 国営諌早干拓事業で設置された潮受け堤防排水門の開門を求めて日本共産党長崎県委員会は11月12日、農林水産省に要望書を手渡しました。漁業者が生活困窮状態に陥り自殺も相次ぎ、地元を二分する事態となっているなか状況打開を迫りましたが、農水省は現地の協議を待つとの姿勢に終始しました。要望には赤嶺政賢衆院議員も同席しました。

 「漁業者は生活できない状況に陥り問題は切迫している。開門しても農業も漁業も両立できることは裁判のなかでも明らかになっている。時間のかかるアセス(開門の影響調査)をしてからではなく開門を決断すべきだ」。日本共産党の堀江ひとみ県議は、農水省の担当者の悠長な姿勢にたたみ掛けました。

 要望書で求めたのは4項目。①排水門の開門②低平地の排水対策③養殖アサリ被害の戸別補償・救済策④底引き網漁業再生プランの取り組みの明示―です。

 農水省担当者は、排水門の開門について、「関係者の意見が分かれている」としました。農水省の周知徹底不足による誤解が地元住民にあふれているにもかかわらず、佐賀県や長崎県の相違をあげ、大臣が求めている地元協議の結論を待つ姿勢を示しました。アセスについても2011年度中にまとめる考えといいます。

 堀江県議がこれを批判、西田京子諫早市議も続きました。「農業者と漁業者、市民が仲良くできるようにしてもらいたい」(しんぶん赤旗2009年11月13日)