「五木村から球磨川・八代海までの流域圏再生に向けて、心一つに」(集会宣言)―川辺川ダム中止、荒瀬ダム撤去に向けた市・県民の思いが会場いっぱいにあふれた「県民大集会」(11月14日、熊本県八代市)。住民らはこもごもの願いを語り、日本共産党の仁比聡平参院議員は「環境破壊から環境再生」への道筋を提案しました。 

 「60年前の球磨川はアユを1日20~30匹もつかみとれて、カニもウナギもいっばいとれた」。そう回想したのは大島津喜さん=球磨村=です。「荒瀬ダム、瀬戸石ダムができてアユが取れない。昔の球磨川を返してほしい。ダムを撤去すれば、清流。球磨川にかえるし、有明海も生き返る」

 「漁師にダム働いらない!」。撤去に向けた強い決意を表明した八代漁協の平田剛副組合長は、漁師歴43年です。荒瀬ダムが原因で砂が流れこまず八代海の砂干潟が減少し、「ヘドロ干潟が広がっている」と訴えました。「アサリ、ハマグリ、クルマエビの不漁が続いている。一日も早くダムを撤去し、豊かな海を取りもどしたい」

 球磨川漁協の木本生光副組合長は「球磨川・八代海を再生することで、その経済効果は発電利益を上回る」と強調。対岸の天草から駆け付けた龍ケ岳漁協の北垣潮さんは、「雨が少ないときは、ダムにたまった水が富栄養化して赤潮が発生する。赤潮のない不知火海に戻すためにお力をお貸しください」と訴えました。

 荒瀬ダムが位置する旧坂本村(現八代市坂本町)の光永了園さんは、荒瀬ダムが出来てから複数の子どもたちがダム湖で水死し、放水で流されるなどして亡くなっていると告発しました。「財産、命を奪った荒瀬ダムを、子どもや地域の未来のために一日も早く撤去してほしい」

解説 荒瀬ダム
 1955年、球磨川下流の坂本村(現八代市)につくられた県営発電ダム。流域住民は長年にわたって水質汚濁や放水時の振動、藻場や干潟の消滅にともなう八代海の魚介類の減少、水害に悩まされ、撤去は住民の悲願でした。2002年に潮谷義子前熊本県知事が撤去方針を表明。しかし、浦島郁夫現知事が就任2カ月足らずの昨年6月、財政難などを理由に一方的に撤去「凍結」を宣言。住民から厳しい批判を受けています。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月17日)