生活保護

参院行政監察委員会で質問する仁比そうへい

 2006年5月、北九州市門司区の男性(56)が、ミイラ化して発見されました。生活保護申請を窓口で受け付けられなかったため、飢えとみられる孤独死をしたものです。
 仁比そうへい参院議員・比例候補は現場に直行し、調査。「異常な保護行政で引き起こされた″殺人″といわなければならない」(記者会見)と厳しく批判しました。

 翌月の参院行政監視委員会では「保護が必要な人の最後の命綱が断たれた。国が是正しなければ、犠牲が繰り返される」として、「水際作戦」など生活保護行政の是正を迫りました。川崎二郎厚労相(当時)は「事件を検証する」と答弁。「対応次第では本事例のような結果にならなかった可能性がある」との調査結果が出ました。

 その後、全国の学者、弁護士、市民団体と、共産党の共同した運動が広がり、市当局に「水際作戦」「保護辞退の届け出」の過ちを認めさせ、生活保護の「数値目標を撤廃する」と答弁させるなど、改善が進みました。

介護保険

参議院決算委員会=2010.02.04

今年2月の参院決算委員会で仁比さんは介護に持ち込まれた1割の応益負担が、「もっとも介護を必要とするお年寄り、とりわけ低所得者を排除している」と追及しました。

 質問にあたって、福岡県田川市や福岡市内の介護施設に足を運び、実態を調査した仁
比さん。電気を消した真っ暗な部屋で寝たきりの女性(78)から手を握られて、「死んだほうがまし」と涙ぐまれたことなど、現場の実情を政府に突き付けました。

 「国の責任で減免制度をつくり、せめて住民税非課税世帯の利用料は無料にすべきだ」
 質問後、「がちがちの自民党支持者だが、感激した。共産党がいなかったら高齢者は大変なことになる」(東京都・60代男性)など、多くの反響が寄せられました。

国保

参院決算委員会で厚労省通知の徹底を要求する仁比そうへい

 子どもの「無保険」をめぐって08年11月の参院決算委員会で、短期保険証の速やかな発行を指導する厚生労働省通知の徹底を要求しました。この通知では短期証の発行に「医療を受ける必要」などの条件がつけられているとして、「医療を受ける必要があるかどうか、役所の窓口で判断できるのか」と迫りました。
      
 舛添要一厚労相(当時)は、「(医療費の)一時払いが困難という申し出があれば(短期証を出して)結構」だと答弁。速やかな短期証の交付を指導していくことを約束しました。
     
 高すぎる国保税をめぐり自治体の担当部局から事情聴取、住民団体との懇談を重ねるなどして、国に国庫負担増を強く要求。また建設国保の拡充に向けても奮闘しています。

自立支援法

 09年7月、仁比さんは、福岡県田川市の「第2つくしの里」に通う障害者自立支援法訴訟原告の平島龍麿さん、山下裕幸さんらと懇談。「みんなが人間らしく生きられる政治をつくりましょう」と激励しました。原告からは「施設利用者が働くのになぜ利用料を払わなければならないのかとの怒りから原告になった」(平島さん)などの思いが語られました。

 仁比さんは各地の演説会で、障害者福祉にまで持ち込まれた「応益負担」を「お金のあるなしで命や健康を差別するものだ」と厳しく批判しています。

(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年6月15日)