生活保護の老齢加算復活を求めた生存権裁判での原告勝訴の判決(福岡高裁)を受け、生存権裁判を支援する全国連絡会(小川政亮名誉会長)は6月15日、国・厚生労働省に上告の断念を求めて申し入れと宣伝を行いました。福岡県北九州市から原告と弁護士らも駆けつけました。

激励する仁比そうへい

 厚労省前の宣伝で福岡原告団長の毛利吉彦さん(76)は「私たち高齢者には先がない。上告をせず、一刻も早く減らした分を返してください」と力を込めて訴えました。

 NPO法人朝日訴訟の会理事の朝日健二さんは「福岡の勝訴は、最低賃金や年金などの引き上げに連動するもの。国民の生存権を守る大きなたたかいの力となる」と話し、要求実現までたたかう決意を述べました。

 厚労省への申し入れでは、福岡訴訟の弁護団長高木健康弁護士が「加算の減額が始まってから6年がたち、高齢者は苦しい生活を続けている。上告するならさらに国民をいじめることになる」と迫り、長妻昭厚労相との面談の機会を求めました。

 厚労省の担当者は、訴訟の進め方について、適切に判断すると述べるにとどまりました。

 福岡訴訟の縄田浩孝弁護士は「判決は、高齢世帯の最低生活を維持できるように検討すべきと専門委員会が出したことに対し、厚労省が今でも何も措置をとっていないことを指摘している」と批判しました。

連帯の挨拶をする仁比そうへい

 宣伝行動には、日本共産党の仁比そうへい参院議員が駆けつけ、連帯のあいさつをしました。

(しんぶん赤旗 2010年6月16日)