レッド・パージ反対全国連絡センターは6月7日、レッド・パージ犠牲者の名誉回復と国家賠償を求めて国会請願行動をおこない、全国活動交流集会を開きました。

 13都府県から46人が参加し、各党国会議員に要請しました。

 要請後、参院議員会館で国会請願行動・活動交流集会を開催。参加者は昨年を超える2万5670人分の請願署名を日本共産党の塩川鉄也衆院議員に手渡しました。

 塩川議員が連絡センターと固く連帯してたたかう決意を表明して、大きな拍手につつまれました。

 坂本修弁護士が、犠牲者の国家賠償を求める訴えを棄却した神戸地裁判決(5月26日)の「不正義」と題して特別報告。真実に背をむけ憲法と道理に反した最悪の判決だと批判。控訴審で正義の判決をかちとるため法廷内外の力を強め、国会で名誉回復・損害補償のための決議、立法の実現を追求していきたい、とのべました。

 運動の交流で大阪の代表は、「大阪からも運動に合流していこうと被害者の名簿づくりをして46人になった。7月には大阪の集いも開くことにしている」と報告。神奈川の代表は「請願署名数が昨年を超えることができた。友人、知人に手紙で依頼して署名を集める人が増えている」と報告しました。

 交流集会では日本共産党の吉井英勝衆院議員、仁比聡平前参院議員が連帯のあいさつをしました。(しんぶん赤旗 2011年6月9日)

6・7 レッドパージ反対全国連絡センター 全国活動交流集会での発言要旨

仁比 聡平(前参院議員、国民運動委員会副責任者)

昨年参議院選挙で議席を失った。申し訳ない。国政の議席奪還向けて頑張る。共産党本部の国民運動委員会副責任者の立場で、十二月の「つどい」の成功や神戸裁判に対しても共産党としてのたたかいにかかわっている。今日の全国の集会に参加し感じた点を発言。


一つは、神
戸の原告三人の決意と行動が、思想・良心の自由がどれだけ掛け替えのないものか、を社会全体、とりわけ現役世代、若い世代に対して、人生をかけた形で示し
てくれている。今日配られている資料の中に、「東京新聞」が不当判決を受けた大橋さんたちの決意を大きく取り上げている記事がある。大橋さんの「何もせず
に黙って死ねるか」、安原さんの「裁判所に助けてほしいんじゃない。思想・信条の自由という基本的な権利を守ってもらいたいだけだ」。白髪を揺らした、と
いう記者の表現が、私も二時間ほど安原さんの半生をうかがったことがあるが、気概をそのまま伝えている。川崎さんの「長生きしなくちゃならない闘いが始ま
る」。八〇歳、九〇歳をこえ、ご家族を亡くし、本人の身体も困難を強いられてきた原告がこれほど気概あふれて、民主主義の核心である思想・信条、良心の自
由を守りぬこう、実現しようとしている。励まされない国民はいないのではないか、と私は思う。今日の各地の発言からもあらためて痛感。原告三人の決意と行
動が大きく状況を変えてきた。「神戸新聞」や「朝日新聞」などなどレ・パの大きな取り上げ、ここに反映している。被害者の声を現場から聞き努力されてきた
記者に敬意を表する。未来に着目するならば日本の民主主義、憲法を生きたものにしようとする思いがあるならば、レ・パ問題は広く大きく共感が広がる。

二つめは、
それを理不尽に乱暴に蹂躙した日本の国家、政権、権力の卑劣さがこのままでいいはずがない、正さなければならない――このことは日本国民に正面から問われ
ている問題。アメリカ、イタリア、スペインではこれを正したが、日本では正さなくてよいのか。神戸判決について市田書記局長が、「戦後史の汚点というべき
暴挙を今日なお容認したきわめて不当な判決である」と談話を発表したが、日本共産党として強く抗議する。民主主義の核心をおかし、主権回復後もレ・パ被害
者の名誉回復も賠償も全く背を向けてきた日本の国家、権力のありようが、いまなお職場で思想差別をつづけていること、議会からさえ少数意見を排除しようと
するたくらみが、比例定数の削減や先週強行された大阪府議会の定数削減、こうした乱暴な形ですすめられようとしている。さらに「君が代」「日の丸」の強制
にみられるように思想・良心の自由を正面から侵害して平気な顔をしている。このままでいいはずがない、これを正す運動を本腰を入れて、これからの未来の問
題としてとりくまなければならない。裁判は控訴され、「君が代」で怒っている大阪に舞台が移る。

政府が適切
な措置をとるように日弁連会長も談話を出している。日弁連の勧告の即時実施の申し入れを、当時自民党政権の河村官房長官に、吉井英勝議員、被害者と一緒に
行った。政府は主権回復後レ・パはなかったこととして扱い、政府の中にレ・パ問題を担当する部署をつくっていない。私はこの申し入れの時も、日弁連が政府
に対して勧告を出し責任が問われている以上、少なくとも調査をする担当部署を政府として設けるべきだと強く申し入れた。官房長官は検討するといい、その後
政権も変わったが何の動きもない。国際人権問題としても世界人権宣言や国際人権規約の水準に引き上げていく大きなたたかいとあわせて、理不尽に乱暴に思
想・良心の自由を侵してきた日本の政権を大きく変えよう。

三つ目は、
みなさんのたたかいが大きな教訓を残している。それをみんなで学びあって、生かして運動の大きな発展ができる。神戸のたたかいが大きな共感と運動の共有が
広がった根っこには三人の原告が六〇年間の人生とレ・パ被害を語り抜いてきたことにある。大きく人を動かす力がある。六〇周年の「つどい」でも、さまざま
な民主団体の方がみなさんのレ・パ被害と自らの要求実現のたたかいの原点を重ね合わせて、解決のための決意を語る姿に私は胸を打たれた。今日配布された
『六〇周年記念集』にはその雰囲気と大きな力がつまっている。この『記念集』の大きな普及、ここには載っていないみなさんの時代の証言を私たちも受けとめ
て、名誉回復と国家賠償の実現のために日本共産党も全力をあげる。この集まりのなかで共産党への注文も出されていましたから、しっかり持ち帰りたい。とも
に頑張りましょう。