44年にわたるたたかいの末、再審無罪判決が確定した布川(ふかわ)事件の元被告、桜井昌司さん(64)が6月9日、日本共産党本部を訪れ、緒方靖夫党副委員長、仁比聡平前参院議員、柳沢明夫法規対策部長、植上一夫広報部副部長と懇談しました。

 桜井さんは「当然、無罪だと思っていたがうれしかった。これまでの激しい感情が消え、やすらかな気分です。無罪になってから以前のよく響く声が戻ってきた。秋には自分でつくった歌でCDをつくりたい」と抱負を語りました。

 1996年11月に仮出所した桜井さんを出迎えるなど、長年支援してきた緒方副委員長は「多くの人の心をゆさぶる支援活動でしたね」と、長年の活動に敬意を表しました。

 桜井さんは「1970年に初対面の柴田五郎弁護団長から『この事件、裁判だけでは勝てない』といわれ、最初は意味がわからなかった。その後、刑務所にいても、外の人とつながっていられたことがうれしかった」と振り返りました。

 北九州市で弁護士として支援に関わった仁比前参院議員も「検察を市民のための民主的組織にするには国民的な運動が必要ですね」と発言。桜井さんは「今回は、単独でなく共犯とされた冤罪(えんざい)が明らかになった初めての事件だった。検察に不利な証拠も知ることができる『証拠開示法』を早くつくってほしい。その先頭に立ちたい」と訴えました。(しんぶん赤旗 2011年6月10日)