2008年4月29日(火)「しんぶん赤旗」
ハンセン病療養所 職員・医師確保せよ
参院委 “国の責任”と仁比議員
日本共産党の仁比聡平議員は、二十八日の参院決算委員会で、ハンセン病療養所の医師や職員不足について質問し、「必要な人員を国の責任で確保すべきだ」と政府の姿勢をただしました。
国は二〇〇一年、ハンセン病政策の誤りを認め、元患者らに謝罪、「終生の在園」「社会と遜色(そんしょく)のない生活環境と医療の整備」などを約束しました。しかし、国は約束を守らず、入所者の減少とともに療養所の機能が低下している実態があります。
仁比氏は、全国十三の療養所の中で唯一、孤島にある香川県大島青松園(百三十人)をとりあげ、国が運営する船便が職員の定員割れで今年から便数が減少し、定年退職などで、今後三年間でさらに半減する実態を告発しました。
「これでは新たな隔離になる。早急に船員を確保すべきだ」と追及したのに対し、舛添要一厚労相は「官有船なので国家公務員として働いている。きちんと守っていきたい」と答弁しました。
仁比氏はさらに、今年二月の全国ハンセン病療養所入所者協議会が行った調査結果を紹介。入所者二千七百六十四人中、六割以上が食事介助などを要する「不自由者棟」に入居しているのに、職員不足で十分なケアが受けられていないといいます。またほとんどの療養所で医師が定員を割っています。
仁比氏は、「これでは“立ち枯れ政策”と指弾されても仕方がない。一刻も早く欠員を解消し、さらに拡充すべきだ」と迫りました。舛添厚労相は「予算と人員の確保に向けて努力したい。さらに実態を調査をし、自分もぜひ現場を訪問したい」と答弁しました。