【17.03.09.】193国会質問 3月9日法務委員会『共謀罪の提出は許されない』

193回国会質問

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

質問に入ります前に、先ほど自民党の山下雄平議員が取り上げられました農村振興局の文書問題、これ大臣、大臣が先ほどおっしゃったような相反する義務に板挟みになっているのではなくて、農水省が干拓ありきで、豊かな有明海を壊して、今開門は絶対にさせないと、そうした立場でこの訴訟や問題に臨んできたんだという正体がむき出しになった重大問題だと思うんですね。これ、裁判を担当している訟務当局がこれ知っていてやっているのか、これも含めて徹底して明らかにする必要があると思うんです。

そこで、委員長、朝日新聞の昨日一面など、報道されている資料を農水省からこの当委員会に提出をさせるよう取り計らっていただきたいと思いますが、いかがですか。

○委員長(秋野公造君) 後刻理事会において協議いたします。

○仁比聡平君 昨日の予算委員会に続けて共謀罪について伺います。

まず、刑事局長、計画という文言が犯罪の成立要件、処罰条件に使われた例はありますか。

○政府参考人(林眞琴君) 計画という行為、計画文言を使ってその行為を例えば犯罪の成立要件のように用いている罰則の例というものについては承知をしておりません。

○仁比聡平君 計画というのは、広辞苑によりますと、物事を行うに当たって方法、手順などを考え、企てること。つまり、思い立ち、考え、もくろむことなんですよね。それを処罰するという、この過去に例がないというのは、罪刑法定主義、行為主義に反するからなんですね。人々が話し合うことそれ自体はプライベートで自由なことです。これを処罰するとなれば、警察が嫌疑を掛ける、疑いを掛ける、その対象というのは人々の話合いの中身、内容ということになる。そこに合意を処罰する共謀罪の恐ろしさがあるわけですね。

もう一つの準備行為というのはどうか。これ大臣は、合意を処罰しない予備ではTOC条約を批准できないからテロ準備罪が必要だという趣旨の答弁をずっとしてこられていて、その答弁と併せて、予備は客観的に相当の危険性がなければ処罰の対象とならないという答弁も併せておっしゃっています。大臣、ということは、そうした危険性、つまり客観的に相当の危険性がない実行準備行為を伴う合意、計画、これが処罰対象と、そういうことですね。──いやいや、大臣。大臣の答弁ですから。

○委員長(秋野公造君) まず、林刑事局長。

○政府参考人(林眞琴君) 実行準備行為という言葉、これについては立案段階での方針という形でお示ししているところでございます。一方で、その予備という言葉、これについては現行法上の予備罪における予備とは何かという形でこれまでお答えしているところでございます。

その意味で申し上げれば、この現行法上の予備というものにつきましては、予備という言葉が使われている予備罪におきましては、その予備というものは構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性が認められる程度の準備が備えられたことを要するという、これが東京高裁の昭和四十二年の判決で示されておりまして、予備というものはそのように客観的な相当の危険性を含むものというふうに理解していると、このようにこれまで申し上げておるところでございます。

それで、実行準備行為というものはどのようなものとして観念するかというものについては、これを現在立案しているわけでございまして、この点で予備行為と実行準備行為はどのように違うのかと、こういった問題になろうかと思いますが、少なくとも、予備行為、現行法上の予備というものとこの実行準備行為というものは次の点で異なると考えております。

一つは、その現行法上の予備というものは、今申し上げた客観的に相当の危険性のある程度の行為であるというふうに考えておりますが、ここにおきましては、合意でありますとか計画でありますとか、そういったこととの関連性は全く入っていない概念でございます。

他方で、実行準備行為というものにつきましては、これは、現在の立案の段階で、国際組織犯罪防止条約第五条の一(a)の(i)が認めておりますところの、「国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為」というふうに書かれておりまして、これを念頭に置いて今立案しているわけでございます。

そうしますと、この実行準備行為は、少なくとも合意の内容を推進するための行為という観点から、合意との関係でこの実行準備行為を考えていく、概念をつくっていくと、こういうことになります。その点におきましては、この予備行為、あるいは実行準備行為というのは異なるというふうに考えております。

○仁比聡平君 今局長がるる述べられましたけれども、そんな大して難しいことをおっしゃっていない。予備の相当の危険性というのは、これ、相当な幅を持ってこれまでの刑事法上扱われてきていますから、そんなに危険なものなのかというものも予備に含まれていることがあるんですが、それはちょっとおいておきます。

私が大臣にそんな難しい認定の話を聞いているんじゃないんですよ。大臣は、客観的に相当の危険性がある予備では駄目、そうした危険性はという、おっしゃっているわけだから、だから、そうした危険性はない実行準備行為を伴う合意が処罰対象になるということになりますねと。そうでしょう。

○国務大臣(金田勝年君) まず、私どもは、テロ等準備罪として現在検討しておりますが、成案を得た段階で説明をしっかりとしたいと申し上げているのはそのとおりであります。テロ等準備罪、対象となる団体を重大な犯罪を行うことを目的とする組織的犯罪集団に限定をした上で、このような組織的犯罪集団が重大な犯罪を行うことを合意をして、その実行準備行為が行われた場合に初めて処罰するという、その考え方を持って現在検討を、ぎりぎりの段階を進めておるところであります。

このように、実行準備行為というものは、組織的犯罪集団が重大な犯罪を行うことを合意した上で、その合意の内容を推進するために行われるものであると、これは今刑事局長が申し上げたわけですけれども、その重大な犯罪の実行を未然に防止するためにこれを処罰の対象とすることは、罰則の在り方として問題はないというふうに考えているところであります。

○仁比聡平君 何言っているんですか、大問題じゃないですか。行為に出ていないのにこれを罰すると、それは罪刑法定主義に反するんですよ。その憲法論は改めての機会にしますけれども。

大臣、もう一回聞きますよ。昨日、下見か散歩かどう区別しますかと、私の質問に、犯罪のために散歩しているのか、花見しているのか、そうではなくて、その下見のために歩いて散歩をしているのか、そういうところの違いだと思いますとおっしゃって場内爆笑になりましたが、その上で、目的が違うという状況を踏まえて、それを慎重に受け止めて、しっかりと調べるということだと思うと、踏み込んだ御答弁をされたんですね。

下見か散歩か、これは外見上は違いはないわけです。だから、内心であるところの目的で区別する、先ほどの御答弁の言葉で言えば、計画を実現するためのものなのかということが争点になるという、そういう御理解だと思うんですけどね。大前提ですよ。つまり、下見か散歩や花見なのかというのは外から見たら分からないでしょう。外から見て分からないというのは、つまり危険性がない行為だということですよ。予備だったら、拳銃を買ったとか刀を持ったとか分かるじゃないですか。それが分からない行為でしょう。客観的に相当の危険性がない行為を実行準備行為を伴う合意というんでしょう。違いますか。

○国務大臣(金田勝年君) 私が申し上げておりますのは、実行準備行為を含むテロ等準備罪の具体的な内容につきましては、何度も申し上げておりますように現在検討中でありますが、私どもが検討しておりますテロ等準備罪は、組織的犯罪集団による合意に加えて、実行準備行為があって初めて処罰されるものであります。

したがって、組織的犯罪集団による合意、組織的犯罪集団の要件というのは、合意や実行準備行為とは独立した要件とすることを検討をしているわけでありまして、組織的犯罪集団に入っております方が花見をする、あるいは散歩をする、そういう前提でお話をしていただいているものとした場合に、私は、それはこの対象となるというふうに、なる要件をその部分では持っているという前提のお話をしておるのかどうかという点を、昨日は私は申し上げたかったわけであります。

○仁比聡平君 いや、だって、暴力団以外は花見しちゃならぬってならないでしょう。あらかじめ組織的暴力集団と分かっているところの構成員だけを対象になる罪だというんだったらそうした議論になるかもしれないけれども、分かっていない一般の人も含まれている人たちが対象になるから、一般の人は対象にならないなんていう一々弁明をしなきゃいけないようにあなた方なっているわけじゃないですか。だから、下見と散歩の区別はどうなるのかという昨日は例に出したし、総理の御答弁でいえば切符を買うということが問題になっているし、それはホームセンターなんかでお買物をするとかATMで出金するとかというのと全部同じじゃないかということになるわけです。

これら客観的な相当の危険がない行為、それ自体はですよ、それが問題なんでしょう。

○国務大臣(金田勝年君) 繰り返しになりますが、私どもはテロ等準備罪、検討しておりますが、対象としては、組織的犯罪集団の構成員である、この要件を満たす者に対してのみこの罪というものが、犯罪というものが対象になるという前提を置いていますので、そこの前提を超えた議論は一般の方々であろうかと思いますが、それは全く想定しているところではないわけであります。(発言する者あり)

○仁比聡平君 西田議員がそうおっしゃるので、刑事局長に聞きます。

検討されている案は暴力団だけですね。

○政府参考人(林眞琴君) 今回、組織的犯罪集団という要件というものを独立した要件として加えているということでございまして、この組織的犯罪集団というものの中身につきましては、基本的に考えておりますのは、これまで例示として挙げておりますのは、テロリスト集団、テロリズム集団、また、そのほかの組織犯罪集団ということを考えております。

そのほかの組織犯罪集団というものは、例えば暴力団等がございますし、例えば振り込め詐欺というものを目的として組織が結成されるとすれば、そういった振り込め詐欺集団というようなものも入っております。

○仁比聡平君 局長も例示だと、例えばと言うじゃないですか。あらかじめ指定されている広域暴力団などの構成員だけじゃないでしょう、大臣。西田議員が暴力団だけだというこの発言は間違いですよね。

○政府参考人(林眞琴君) 今回、組織的犯罪集団というものが独立した要件とするということの意味でございますが、これは、当該事案が問題になるときに実際にその組織的犯罪集団がそこに存在していると、また、そして存在しているその集団の団体の意思決定に基づいてそうした犯罪の合意、計画がなされ、さらに準備行為がなされたと、こういう全体をもって犯罪の成否が決まるわけでございます。

したがいまして、犯罪の事実の認定の中で、その組織の結合の目的がそもそも犯罪の実行の目的にある、そういった団体が存在しているのかどうかということがその時点で問われ、その時点を立証できなければ処罰はできないわけでございますので、そういった意味において、組織の結合の目的が犯罪の実行の目的にあるということ、こういった団体というものは全く一般の団体とは異なるものであります。

○仁比聡平君 組織的犯罪集団をどのように考えるのかというのはいろんな議論があるんでしょうけれども、ちょっと今日確認したいのは、今局長の御答弁に出てきた、大臣が昨日御答弁なさっている言葉で言うと、当該事案の時点において、この意味なんですけれども、これ当該事案と、今何だかばくっと曖昧におっしゃっているんですけど、新設しようと皆さんがしている共謀罪というのは実行準備行為を伴う計画なんだから、計画の時点という理解をするしかないんですけど、大臣、違うんですか。

○政府参考人(林眞琴君) 今回の考えております法案というのは刑事罰則を定める法案でございます。その中に組織的犯罪集団という独立の要件を設けようと、こう考えているわけでございます。

したがいまして、刑事罰則についてのこの事実認定の時点というものは、犯罪の成否が問題となっているその当該事案の時点でございます。例えば公訴事実、起訴した場合には公訴事実というものがございますが、公訴事実の中でその事案の問題とされる時点というのが特定されますが、その時点において組織的犯罪集団というものが存在していて、その組織的犯罪集団が団体の意思決定に基づいて犯罪を計画していると、こういったことが認められるかどうかというのがその時点において認定されるわけでございます。

実際に組織的犯罪集団が、じゃ、どの時点から存在していたかというものについては、それはもちろんその事案ごとによってございましょう。その時点よりももっと前の段階で組織的犯罪集団が成立しているということもありましょうが、いずれにしても、ここで問題とされますのは、犯罪の成否が問題とされる当該事案、これについて、その事案の時点において組織的犯罪集団としての活動であったかどうかというものが事実認定をされるということになります。

○仁比聡平君 私が聞いているのは、組織的犯罪集団がいつからあるのかの話じゃない。当該事案の時点においてという、その時点というのは何かということなんですよ。今、犯罪構成要件のという趣旨のことをおっしゃいましたけど、これ実行準備を伴う計画が犯罪である、これを処罰する必要があるんだということであれば、その計画、つまり合意、話合いの結論でもいいし、意思の合致と言ってもいいですけど、その時点が当該事案の時点、そういう意味でしょう。

○政府参考人(林眞琴君) 先ほど申し上げましたように、処罰の要件というものを定めます。要件というものが、例えばその組織的犯罪集団というのが一つの要件であり、そしてもう一つ、計画というものがある、その他の要件があると、こう仮定しますと、この犯罪の成否を考えるときに、例えば計画というものがなされた時点において組織的犯罪集団というものが存在していなければ、これは処罰の対象となりません。そういった意味において、この要件が全部そろっているかどうかということは、その当該事案の犯罪の成否が問題とされているその時点において判断されるということを申し上げたわけです。

○仁比聡平君 今局長がおっしゃったのは、お認めになっていることなんだと思います。つまり、組織的犯罪集団かどうかは別の要件で考えるけれども、対象となる、処罰対象ですよね、これは計画だと、合意だということになれば、この時点ということじゃないですか。

これは、普通は、話合いなんだからプライベートで自由なことなんですよ。だけれども、これが実行準備行為を伴い、その組織的犯罪集団が主体であれば、そうしたら処罰するということは私もうはっきりしたと思うんですけど、その実行準備行為というのは、昨日大臣が、下見と散歩、あるいは花見を、先ほど紹介をしたような御答弁で表現をされたように、よく分からない、外からは、普通は。

その下で、今日警察庁においでいただいているんですが、大臣が、目的が違うという状況を踏まえてしっかりと調べるという趣旨の御答弁をされました。警察の皆さんが、犯罪が発生しているのか、発生した後の犯人を捜すとか証拠を捜すとかいう、そういう司法警察活動とは別に、犯罪発生させない、あるいは予防する、そうした行政警察活動、あるいはテロを警戒するなどに典型的ですけれども警備警察活動ですね、こうした行政警察活動を行っておられるわけです。その中で、警らやあるいはテロ警戒警備などに就いている警察官がどんな場合に職務質問を行うか、この職務質問の言わば考え方について教えてください。

○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。

警察官職務執行法第二条第一項の規定によりまして、警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者に対して停止させて質問することができるとされておりまして、こうした場合に職務質問を行っているものでございます。

○仁比聡平君 テロを警戒して要人警護をする、あるいは、ローンウルフが町の中で、これ注意をしなきゃいけないというようなことになる場合は、今おっしゃった警職法の挙動不審その他という、こうしたものだけを気を付けているだけではちょっと足りないということもあろうかと思うんですけど、そういう注意はないんですか。

○政府参考人(白川靖浩君) お答えいたします。

実際に職務質問を行うかどうかにつきましては、個別具体的な状況に照らして職務質問の要件を満たしているかにより判断されるということでございますので、一概にお答えすることは困難でございますが、先ほど申し上げましたとおり、警職法第二条第一項の規定によりまして、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、また犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者に対して職務質問を行っているところでございます。

○仁比聡平君 この職務質問が、つまり司法捜査とは別に、事件は現場で起きているわけですから、現場の警察官の皆さんは始終そうした立場で、あるいは任務を負って活動をしておられるわけですが、これが、所持品検査や、あるいは腕をつかんで制止する、あるいは車のエンジン止めてキーを抜く、そうしたことが許されるのかなどということは、これはもう様々大問題になってきたわけなんですね。

その職務質問に当たって、例えば犯罪が行われていないかという、そういうことを確かめていくというプロセスにもなるわけで、実行準備行為を伴う合意、計画ですね、これが罪であるという、これ仮にそうした罪が新設されたら、窃盗とか殺人を念頭に置いて日頃任務に当たっておられるのと同様に、共謀罪あるいはテロ等準備罪というのも念頭に置いて警らや警護に当たることになるのが当たり前だと思いますけど、いかがですか。

○政府参考人(白川靖浩君) お答えいたします。

先ほど御答弁申し上げましたとおり、警察官は、何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由の者に対して職務質問を行うこととされておりますことから、特に犯罪についての限定というのはございません。

○仁比聡平君 だから、林局長が、もうちょっと御答弁いただく機会なくなったのは申し訳ないですけど、捜査もすることができませんというふうに繰り返しておっしゃっている御答弁の趣旨は、司法警察活動あるいは令状を取っての強制捜査などのことなのであって、警察が一般的に、共謀罪じゃないか、あったら大変だといって行政警察活動を行うというのは、これ当たり前のことになるんだということを確認をしたということを申し上げて、今日は質問を終わります。


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