「新しい戦前」にさせない――正面対決の国会が閉会しました。終盤、衆議院解散をもてあそんだ岸田総理は広がる国民的怒りに腰砕け。案の定、世論調査の政権支持率は急落です。

 物価高騰と格差への無策。鳴り物入りの少子化対策は「異次元」どころか賃上げにも教育無償化にも背を向けた「低次元」。

 ところがその財源さえ示せません。アメリカいいなりの敵基地攻撃能力保有と大軍拡、原発回帰、大企業富裕層優遇のさらなる浪費に暴走するからです。与党は、「物価高騰で消費税の大幅増収になりそうだ」「それを軍拡財源に」などと言い出していますが、緊急減税・インボイス中止こそ道理です。マイナンバーひも付けの深刻なずさんさに「来年秋の健康保険証廃止の中止を」の運動が急速に広がっています。

 自公維国4党による翼賛化がつくりだしたかつてない異常国会を、来たるべき総選挙で必ず変える。国会内外の力をあわせ正面対決する日本共産党の躍進をなんとしてもかちとる新たなたたかいの夏が始まりました。

 GW明けのひと月半、国会正門前から日本中に広がった「入管法改悪NO」の怒り、とりわけ若者・学生たちの姿は大きな希望の力を示しました。

 政府与党は、審議すればするほど崩れていく立法事実にふたをし、国会の自殺と言うべき強行採決に及びましたが、国会内外の力を結集した論戦と運動は、ウィシュマさんをはじめ拷問のような入管収容中の死、働くことも医療も認めない仮放免、庇護(ひご)を求める難民をベルトコンベヤー式に強制送還してきた人権侵害の闇の中核に、「送還ありき」のノルマがあることを暴き出しました。

 日本の入管行政の底深い人権侵害構造の源流にある戦前の植民地支配、戦後の在日朝鮮人排斥の歴史と真正面からたたかい続けてきた日本共産党だからこそ、差別と排斥の歴史を終わらせ、保護と共生への国際人権水準を求める市民社会としっかり手をつないでたたかえます。

 つないだ手を絶対に離さない。この夏が勝負です。(しんぶん赤旗 2023年6月30日)