黒い雨調査=広島2009.10.09

 日本共産党の仁比聡平参院議員は10月9日、広島市安佐北区の原爆養護ホーム倉掛のぞみ園を訪れ、鎌田七男園長から「黒い雨」問題の聞き取りをしました。8、9の両日、原爆投下直後に降った「黒い雨」被害者の救済をめざす現地調査として、「黒い雨」の会や県被団協の役員らとの懇談、県や市の職員からの聞き取りなどを実施したもの。

 鎌田園長は昨年6月、広島市で出産後まもなく爆心地から4・1㌔の地点で被爆し、複数のがんを患った女性の被ばく線量を爆心地から1・5㌔での直接被爆に匹敵すると推定した調査結果を発表しています。聞き取りには辻つねお県議、広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会の牧野一見事務局長らが同席しました。

 国が昨年4月から積極認定の範囲を「爆心地から3・5㌔」と拡大したことについて、鎌田園長は「3・5㌔での被ばく線量は、自然界で受ける半分くらいの微量であり、自然界で受けるよりも低い線量で被爆と国が認めたことになる。放射線降下物などによる内部被ばくの事実を注目しなければならない」と証言しました。

 牧野事務局長は、佐伯区「黒い雨」の会が降雨の指定地域外の八幡小学校の同級生22人のうち10人ががんなどで亡くなっている実態調査結果を紹介。鎌田園長は「貴重な調査結果だ。行政は、被爆者が証言していることを正面から聞く態度からスタートすべきだと、私は医者として感じている」と語りました。(しんぶん赤旗 中国・四国のページ 2009年10月10日)