日本共産党長崎県委員会は11月13日、前日に引き続き政府交渉を行いました。厚生労働省に乳幼児医療費助成制度を国の制度にすることや介護保険制度の改善などを迫りました。前日には国土交通相に九州新幹線西九州ルートの建設中止も求めました。
乳幼児医療費助成制度では、厚労省の担当者が「課題が多い」として国の制度にすることは難しいとの考えを示しました。課題は、助成により夜間の安易な診療が起これば小児科が回らなくなり、子育て支援であれば待機児童の解消も行わないといけないなどとしました。
中西敦信長崎市議は「長崎市でも助成は実施されているが安易な診療は起こっていない」と指摘。堀江ひとみ県議は「子育て支援や女性の就労の観点からもこの制度は大切。やるという立場に立てばどうやって課題を解決できるのかという考え方になる」と追及しました。
介護保険では、久保田和恵川棚町議が、同一町内でも住所と居住地が違うことを理由に10割負担を強いられている実態があることをぶつけました。担当者は「住民票があるところで(サービスを受けられるように)やるというのが原則で、全国でそうしていない市町村はないのではないか」としました。
仁比参院議員も追及
九州新幹線西九州ルートは、長崎―福岡間を二十数分時間短縮するために4000億円以上の建設費を投入。大臣は知事に費用対効果の検証と報告を求めています。
担当者は、すでに着工している武雄(佐賀県)―諫早(長崎県)間は進捗(ちょく)率3%となっており、今後については大臣から示されていないとしました。未着工の諫早―長崎間は白紙の状態としました。
日本共産党の仁比聡平参院議員は「20分短くして島原とか平戸とかどうなるのか。経済効果が広がるということはあり得ない。長崎市内でも駅の周りばっかりに集中して歴史のある市街地で閑古鳥が泣いてしまう、そんな国をつくるのかが問われている」とただしました。(しんぶん赤旗九州沖縄のページ 2009年11月14日)
核密約調査公表を 外務省に党長崎県委が迫る
調査が進められている核密約問題で被爆地・ナガサキを抱える日本共産党長崎県委員会は11月13日、調査の公表や非核三原則を法制化し密約をただちに破棄するよう外務省に迫りました。
外務省の担当者は11月末をめどに調査結果を出すとしていることを説明。非核三原則の法制化や破棄については回答しませんでした。
堀江ひとみ長崎県議は「平和な世界を求める被爆者にとって非核三原則の法制化は当然のように考える。核廃絶を言いながら米軍基地が強化されるなど本当に平和を求めているのだろうかと思ってしまう」とただしました。中西敦信長崎市議は「市長は原潜入港拒否の態度を表明している。米軍の艦船が入ってくる理由に住民との交流、親ぼくを深めるとしていたりするが、入港を拒否しているわけで、あり得ないことだ。外務省としてまじめに対応していただきたいと被爆地の市民は思っている」と迫りました。
核密約をめぐっては現在、外務省で約15人が四つの密約について調査を実施しています。
プルサーマル中止も要求
今月、国内初のプルサーマル発電が佐賀県の玄海原発3号機で実質スタートしたことに対して隣接自治体を抱える日本共産党長崎県委員会は13日、経済産業省に中止を求めました。
推進の立場を淡々と説明する経産省の担当者に、「長崎は原爆で放射能の被害にあい、また、放射能の恐怖にさらされないといけないのか」と迫りました。
プルサーマルは使用済み核燃料を再処理してつくったMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料を通常の原子炉(軽水炉)で使用して行う発電のこと。通常使われているウラン燃料に比べMOX燃料の場合、制御がしにくい特性を持ちます。被ばくの危険性も増大します。
経産省の担当者は鳩山由紀夫首相の答弁などを示し「プルサーマルを進めていきたいというのが政府の方針。中止は考えていない」としました。
原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の鷹島を抱える長崎県松浦市に隣接する佐世保市の山下千秋市議は国が進める核燃料サイクルで、青森県六ケ所村の再処理工場はトラブルが続き、使用済みMOX燃料の処理が決まっていないことを指摘。「住民の安全が大切。ずっと使用済み燃料が現地に置かれることになる。実施するならきちんとサイクルが確立してからやるべきだ」としました。(しんぶん赤旗2009年11月14日)