衆参両院正副議長は5月10日、天皇退位についての立法府の対応に関する全政党・会派出席の全体会議を衆院議長公邸で開きました。冒頭、菅義偉官房長官が現天皇の退位を認める特例法案の要綱について説明し、各党が意見を述べました。日本共産党の小池晃書記局長は立法化にあたっての意見を述べ、法案が憲法規定に適合しているか吟味・検討していきたいと表明しました。
小池氏は、退位について「あくまで政治の責任において立法化するべきだ」と強調。天皇の「おことば」を重く受け止めて立法措置をとるとすれば「憲法に背いた政治的権能の行使になりかねない」と指摘しました。
また、立法趣旨で、国民が天皇の「お気持ちを理解し、これに共感している」との表現は憲法規定に背くものになりかねないと懸念を示しました。
さらに小池氏は「天皇の象徴としての行為のすべてを肯定的に評価することには同意できないし、そうした評価を法律に書き込むことは必要もない」と述べました。
その上で、「天皇退位の立法化は憲法に照らして適合的なものでなければならない。政府はこうした立場で対応していくべきだ」と求めました。
菅長官は、法案の閣議決定について19日を目安に行いたいと表明。大島理森衆院議長は、法案が国会に提出された場合、委員会に議席を持たない会派も含めて議論に加われるよう配慮する考えを示しました。
全体会議には、日本共産党から穀田恵二国対委員長、塩川鉄也衆院議員、仁比聡平参院議員が出席しました。(しんぶん赤旗 2017年5月11日)