長崎原爆の爆心地から半径12キロメートル区域内で被爆したすべての住民への被爆者健康手帳の交付などを求め、長崎被爆地域拡大連絡会(峰松巳代表世話人)が12月15日上京し、厚生労働省に要請しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と仁比そうへい参院議員・比例候補が同席しました。

赤嶺、仁比議員が同席

要請する長崎被爆地域拡大連絡会の人たちと同席する赤嶺、仁比両議員=2009.12.15厚労省

 被爆地域指定は旧長崎市の行政区に限られ、半径12キロメートル折区域内でも旧町村は指定されていません。地域拡大を求める長崎県、市、被爆者の声に、政府は2002年から、被爆体験に墓つく精神疾患に着目した「被爆体験者事業」として医療給付などを行ってきました。

 峰代表世話人は、同事業ががんを対象外とするなど、被爆者援護とはほど遠い実態になっていることを指摘。原爆投下直後の米国戦略爆撃調査団が「放射能は雲仙を越え、島原半島を越えてさらに広がっている」と報告していることなどをあげ、地域拡大を求めました。

 厚労省健康局総務課の金山和弘課長補佐は、「(未指定地域で)残留放射線の影響があるという知見は得られておらず困難」と答えました。

 参加者からは「髪の毛が抜けて学校に通ったのに、なぜ被爆者でないのか」「同じ爆風を吸っているのに、被爆者と被爆体験者と何が違うのか」など、怒りの声が上がりました。

 仁比議員は「これまでの政府のとりくみにどんな科学的根拠があるのか。被爆の実相を直視して地域を拡大すべきだ」と迫りました。

 要請は、▽「被爆体験者」の対象疾病にがんを加える▽長崎県内に限定している「医療者受給者証」の居住要件を撤廃する▽被爆2世に対する医療費助成制度を国の制度として実施する―ことなども求めました。 (しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年12月17日)