自由法曹団の国際問題委員会(井上洋子委員長)は4月4日、衆参法務委員を訪問し、入管法改定に反対するよう要請しました。全国の弁護士10人が参加しました。

 同法改定案は3回以上難民申請した人を強制送還できるようにし、送還に応じない人に刑事罰を科すもの。自由法曹団は難民と難民申請者を送還してはならないとする国際法に違反するなどとして改定に反対しています。

 弁護士らは与野党法務委員の控室を訪問。大阪で難民訴訟や申請の依頼を受け持つ松本亜土弁護士は「日本では真の難民が認定されていません。法案が通ってしまえば、難民は危険な国に帰るか、日本で送還拒否の罰則を受けるかという非人道的な選択を迫られる。法案には反対してほしい」と訴えました。

 東日本出入国管理センター(茨城県牛久市)の難民を支援する金子美晴弁護士は日本共産党の仁比聡平参院法務委員にイラン人の事例を紹介。「(イランでヒジャブ着用を拒否する女性らのデモで)警察に連れていかれそうになった女性を引っ張って助けた男性は、一緒にいた友人が拘束され死刑の可能性がある。航空券が安かった日本に逃げ、難民申請したが1週間もたたないうちに不認定となった。法改定されれば、2回目の不認定で送還されることになる」と訴えました。

 仁比氏は「入管収容施設の人権侵害事例や送還でどんな被害が起きるのか、政府与党に迫っていくことが重要だ」と述べ、廃案に向け共にたたかう意思を示しました。(しんぶん赤旗 2023年4月5日)