「共謀罪」法案が5月30日、参院法務委員会で安倍晋三首相出席のもと、審議入りし、日本共産党の仁比聡平、山添拓両議員が質疑に立ちました。 (詳報)
冒頭、秋野公造委員長(公明党)が、同法案審議中の、同委員会への林真琴法務省刑事局長の常時出席を諮り、自民、公明、維新各党の賛成多数で一方的に議決。衆院での審議当時と同じ横暴に、共産、民進両党が強く抗議しました。
議決は、安倍首相や答弁が不安定な金田勝年法相に代わって林局長がいつでも答弁できるようにするもの。この日は、安倍首相への質問にもかかわらず、代わりに答えようとした金田法相の肩を首相が押さえ、林局長に答弁させる場面がありました。
仁比氏は、同法案に対し、人権を制約するとの懸念を示したジョセフ・ケナタッチ国連特別報告者の書簡をめぐる政府の対応を追及。昨年、日本が国連人権理事会の理事国に当選した際、「自発的誓約」として「特別報告者との有意義かつ建設的な対話の実現のため、今後もしっかりと協力していく」と明記していたと指摘し、「書簡への抗議は国際公約に反する」とただしました。
安倍首相は自ら答えず、外務官僚に答弁させました。仁比氏は「一国の首相としての見解を答えないとは、驚くべき態度だ」と批判しました。
山添氏は、「共謀罪」法案の本質が、内心の自由に踏み込むことにあると追及。
自民党作成の法案説明資料で、テロ組織が水道水への毒物混入を計画し、実際に毒物を準備した場合も「この時点で処罰できない」として、共謀罪創設の必要性を主張していることに言及。林局長は「客観的に相当の危険性に至らない段階では殺人予備罪は成立しない」と答弁しました。
山添氏は「予備罪で処罰できない範囲というのは、客観的に相当な危険性がない段階だ」と強調。「客観的に相当な危険性がなくても、考えただけ、話し合っただけで、内心を処罰するのが共謀罪だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2017年5月31日)
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