日本共産党鹿児島県委員会は11月5日、政府交渉を行い、農林水産省にサトウキビの経営安定対策の特例延長を求め、国土交通省に奄美市のおがみ山バイパス事業の中止を含めた事業見直しを要望しました。同席した仁比聡平参院議員らはサトウキビ農家の不安をぶつけ、バイパスの不必要性をつきっけました。

 政府交渉は、仁比議員のほか赤嶺政賢衆院議員、松崎真琴鹿児県議、三島照奄美市議、野口寛西之表市議が行いました。

キビ問題で農水省と交渉、鹿児島政府交渉=2009.11.5

 サトウキビは3年前から経営安定対策として新しい交付金の対象要件を導入。地域の生産農家の2分の1以上が参加して担い手を育成することを目的とする組織に参加すると対象になる特例を3年間に限って設けていました。

 農水省の担当者は「廃止する方針で進める。今後は(制度のなかで)柔軟に対応するようにしていきたい」と回答しました。鹿児島県では約9200戸のサトウキビ農家のうち2009年度産で特例を申請したのは1741人といいます。

 野口市議は、高齢の小規模農家が、少ない国民年金とサトウキビの収入で生活を成り立たせており、特例が廃止されれば生活困窮に陥る状況を訴えました。

 赤嶺衆院議員は「努力しても特例から抜け出せない農家が多数いる。特例を受けてやっている人たちがいるから成り立っている製精工場もある。新政権で今後の対応が決まるまでは続けるべきだ」と求めました。

おがみ山バイパス事業問題で国土交通省と交渉、鹿児島政府交渉=2009.11.5

 奄実市のおがみ山バイパス事業は奄美の自立的発展を目的とした国の振興予算を使い県が行う事業。慢性的交通渋滞の解決策として進められていますが、奄美市では人口減少にともない05年からの3年間で自動車保有台数も約900台減少しています。時間短縮効果は2分縮まるだけといいます。

 国交省の担当者は「完成に向けて推進すると県から聞いている」としました。

 同事業を現場調査した仁比参院議員は「島で生活していけず若い人がどんどん出て行かざるを得なくて人口が減っている。道路だけ造ってどうするのか」と詰め寄りました。

 要望書では、無駄な公共事業として見直し福祉の充実に使うべきだとしています。(しんぶん赤旗 2009年11月6日)