暴力的採決で「戦争法の車輪」を回した安倍政権。しかし立憲主義、民主主義を取り戻そうと頑張る主権者国民の力で大ブレーキをかけられています。
米国の戦争に武力で参戦する戦争法を発動しようとすればするほど、「軍隊は持たない」「交戦権は否認する」と宣言する憲法9条との矛盾はいっそう抜き差しならなくなるのです。「だから明文改憲の車輪を動かそう」とばかりに、年頭、7月参院選で「改憲を考えている責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい」と宣言した総理。
ねらいは国防軍と緊急事態条項です。
国会にも諮らず権力を集中し憲法を停止する非常事態宣言を「緊急時に・国家、国民がどのような役割を果たすか、それを憲法にどう位置付けるか、極めて重く大切な課題」(1月15日)と答弁。
そして、「9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化」などと逆ギレした側近・稲田朋美政調会長の質問に、「(自民党は改憲草案で)第9条第2項を改正して、自衛権を明記し、新たに自衛のための組織(国防軍)の設置を規定するなど、将来のあるべき憲法の姿を示している」「7割の憲法学者が自衛隊に憲法違反の疑いをもっている状況をなくすべきだという考え方もある」(2月3日)と踏み込みました。
さらに「国際法上もっている権利は行使できる」と無限定の集団的自衛権行使(3月1日)、「憲法改正を在任中に成し遂げたい」(3月2日)と述べるに至ったのです。
ほんらい最も憲法を尊重し擁護しなければならないはずの総理が、憲法と主権者国民の声を敵視し、歴代の自民党総理もふれることができなかった明文改憲を鼓吹する。そこには危険な野望と、一方で「暴走してないと倒れる」という焦りがあります。
5野党党首合意は政治のとなりました。選挙協力の具体化とアベ政治NOの運動がまさに「車の両輪」となって飛躍しています。「戦争法廃止」「安倍改憲阻止」。いっそう声を広げるときです。(しんぶん赤旗 2016年3月9日)