高病原性鳥インフルエンザで、昨年の口蹄(こうてい)疫に続き甚大な被害がでている〝畜産王国〃宮崎県。日本共産党宮崎県委員会と同地方議員団は1月
25、26日の両日上京し、農林水産省に対して迅速な対応を申し入れました。あわせて、TPP(環太平洋連携協定)不参加や鳥獣被害対策など1次産業をめ
ぐる切実な県民要求を居けました。
要請には、赤嶺政賢衆院議員、紙智子参院議員(党農林・漁民局長)、仁比聡平前参院議員が同席しました。
TPPに参加した場合、県の試算では農業生産額が1529億円減少。うち畜産関係は1293億円で、「関連産業を含めた影響額は2361億円にものぼる」としています。
口蹄疫で壊滅的被害が出た川南町の内藤いつ子町議は、養豚農家がTPPを懸念して「再開できない」と言っている声を紹介。「赤字覚悟で農業をする人はいない」と強く訴え、参加しないよう求めました。
参加者は「農家は国土保全に誇りを持っている」(浜畑きょう子宮崎市議)、「TPP参加は食を守る農家への挑戦」(中村末子高鍋町議)などと口ぐちに訴
え。赤嶺議員は「専業農家も兼業農家も力を合わせて農地を守っている。もっとそもそも論から議論すべきだ」とくぎを刺しました。
農水省担当者は「個人的にはTPP参加で大変なことになると思うが、上に居けるのは大変だ」と、苦しい胸の内を語りました。
口蹄疫からの復興は県民の切実な願い。要請のなかでは防疫体制の充実や再発防止、経営再開に向けた国の支援を強く求める声が上がりました。
農作物への鳥獣被害もまた深刻です。宮崎市高岡町でもサル、イノシシなどによる被害が増えています。被害額は同地域だけで、2009年度は少なくとも504万円(132㌶)に上っています。
農水省担当者は従来、約30億円だった予算を2011年度は一気に110億円程度まで引き上げ、対策を強化していることを報告。
長尾和子宮崎市議は被害状況を地図で示しながら「口蹄疫、鳥インフルに加えて、農作物までやられてしまえば、宮崎の活気がなくなる。希望をもって農業ができるようにしてほしい」と訴えました。
このほか、要請では厚労省や防衛省など9省、47項目に及ぶ、暮らし・福祉、平和をめぐる県民要求の実現を求めました。
要請参加者は次の通りです。
後藤やすき、長尾和子、浜畑きょう子の3宮崎市議、橋本ゆり・綾町議、内藤いつ子・川南町議、水永まさつぐ・門川町議、中村末子・高鍋町議、馬場洋光党県書記長。(しんぶん赤旗 2011年1月28日)