二重三重に取り囲む報道関係者、控室に響く拍手と歓声――。第184臨時国会が8月2日に召集され、参議院選挙で初当選を果たした日本共産党の吉良よし子、倉林明子、辰巳孝太郎と返り咲いた小池晃、仁比聡平、再選された山下芳生、井上哲士、紙智子の8氏が全員そろって初登院しました。待ち構えていた50人もの報道陣に囲まれる中、笑顔で登院ボタンを押して中に入り、国会での活動のスタートを切りました。非改選の参院議員、衆院議員が勢ぞろいした国会議員団総会では、志位和夫委員長があいさつ(全文)。新人議員らはそれぞれ、国会にのぞむ決意を力強く表明しました。会期は7日までの6日間。
あいさつで志位氏は、当選した8氏を歓迎するとともに、躍進した党国会議員団が果たす「三つの役割」―(1)安倍自公政権の暴走と正面から対決する(2)国民の世論と運動の発展に貢献する(3)国民の願いに即して政治を一歩でも二歩でも前に動かす―を示し、「『共産党を伸ばしてよかった』『今度は共産党に』という奮闘を、新しい衆参の議員団が力をあわせてやろう」と呼びかけました。
第一は、安倍自公政権の暴走と正面から対決する役割です。
消費税増税、社会保障改悪、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)参加、集団的自衛権の行使―。安倍政権の数々の「暴走リスト」をあげた志位氏は「どれ一つとっても、強行すれば日本政治の激動的危機が引き起こされることは避けられません」と強調しました。「あらゆる問題で抜本的対案を示しつつ、対決する姿勢を貫きたいと思います。抜本的対案を持つ党だからこそ対決できます。『暴走が心配』『共産党よ止めてくれ』―その期待に応えた大奮闘をしよう」と力説しました。
第二は、国民の世論と運動の発展に貢献する役割です。
志位氏は、安倍政権の「暴走リスト」が持つ「二つの特徴」―(1)どれも国民多数の声にさからう(2)どれ一つとして国民の信任を得ていない―を指摘。
「国民は安倍政権に白紙委任を与えたわけでは決してない。国民多数の世論と運動で安倍政権の暴走を包囲し孤立させることに力を注ごう。国会議員団がそれに貢献する論戦と活動を進めよう」と力説。国民運動の発展に「大義」と「展望」の両面が大事だとし、この両面で貢献できる論戦・活動をおこなうことを呼びかけました。
第三は、国民の願いに即して政治を一歩でも二歩でも前に動かす役割です。
参院11議席の躍進で、11常任委員会すべてに委員を出し、発言権を確保したことの意義は極めて大きいとのべ、「悪政の追及とともに、国民要求にたって国政を一歩でも二歩でも前に動かす奮闘をしよう」と訴え。国会運営への発言権が格段に高まる「院内交渉団体」となり、「議案提案権」を得たことを紹介し、積極的な活用を強調しました。
志位氏はあいさつのなかで、麻生太郎副総理が、ナチスがワイマール憲法を機能停止させた過程について「あの手口に学んだらどうか」と述べたことに言及し、「ナチズムを肯定し、民主主義を否定する許しがたい暴言」だと厳しく批判しました。国会審議を通じた徹底糾明、麻生氏の議員・閣僚辞職を求めるとともに、安倍政権の政治姿勢を問うていく考えを表明しました。(しんぶん赤旗 2013年8月3日)