「職と住まいを失った方々が大量に路頭に迷う社会は世界でも異常だ」―。日本共産党の仁比聡平議員は3月12日、参院予算委員会で、深刻な雇用情勢を打開するために、「政府が大企業の不当・無法な首切りをやめさせ、すべての労働者にたいするセーフティーネットを拡充せよ」と求めました。(会議録全文→)
仁比氏は、もともと不十分な雇用保険制度が、度重なる改悪で壊されてきたとして、「十年前は、求職者の42%が失業給付を受けていたが、現在では八割近くが受けられない」と告発(グラフ参照)。「一千六万人の労働者が雇用保険に加入さえできず、加入しても、支給要件や支給日数の改悪でセーフティーネットが穴だらけにされてきた」「働きたいのに仕事につけない労働者の大方が失業給付を受けられるようにすべきだ」と迫りました。
麻生太郎首相は「(給付を受けられるのが)40―50%ないとおかしい。25%というのはいかがなものか」と答弁しました。
仁比氏は「労働者派遣法も、雇用保険も大改悪を迫ってきたのは大企業だ。認識を問い、社会的責任を果たさせるのが国会の責務だ」と指摘。日本経団連の御手洗冨士夫会長をはじめ、輸出大企業の代表を参考人として予算委員会に招致し、集中審議をおこなうことを求めると、他党議員からも「賛成だ」と拍手が上がりました。
仁比氏は、マツダなどが、派遣労働者をいったん直接雇用にして、三年の派遣期間の上限制限をクリアしたように見せかけてきたことで、失業給付すら十分に受けられない理不尽さを追及。「違法の実態が認められる場合は、実態にふさわしい失業給付日数を認定すべきだ」と求めました。
舛添要一厚生労働相は、「派遣元事業主との雇用関係が三年以上継続している実態が認められれば、(受給期間の長い)特定受給資格者として取り扱う。現場で指導する」と答えました。(2009年3月13日(金)「しんぶん赤旗」)