「違法」答弁引き出し正社員化訴訟へ
「派遣労働者の使い捨ては絶対に許さない」と、仁比そうへい参院比例候補は、派遣労働者の思いを大企業、政府にぶつけてきました。
2008年12月に大事自動車メーカー・マツダ(本社・広島県府中町)が本社工場と山口県の防府工場で派遣労働者約1400人の雇い止めを発表。仁比氏はただちにマツダ本社に乗り込み「派遣切りはやめよ」と直談判するとともに、国会でも雇い止めの中止を指導するよう政府に迫りました。
参議院決算委員会でマツダの「派遣切り」を告発=2008年12月15日
悪質な雇用実態
同月の参院決算委員会で、当時、参院議員だった仁比氏は、マツダでの派遣労働者の雇用実態を追及。労働者の証言とマツダが作成した「派遣就労ガイドブック」をもとに、派遣労働者がマツダの評価で4段階にランク付けされ、貸金もそのランクで決められていることや、最長3年と定めている労働者派遣法の規定を逃れるため、3カ月を超えて派遣を受け入れない期間(クーリング期間)があれば、継続した派遣とみなさないという厚労省指針を悪用して、派遣労働者を3カ月と1日だけ「サポート社員」として直接雇用し、その後再び派遣に戻すという悪質な雇用実態を告発しました。
舛添要一厚生労働大臣(当時)は、一般論としながらも「職業安定法44条に違反している」と答弁し、麻生太郎首相(当時)も「きわめて憂慮しており、きちんと対応していかなければならない」と答えました。
こうした政府への追及で、09年6月には、広島労働局が自動車大手としては初めてマツダに是正指導を行い、その結果マツダが100人の派遣労働者を期間工として直接雇用することになりました。
国会で政府を追及した影響は、さらに広がりました。09年4月には、防府工場の派遣労働者17人が正社員としての地位確認と未払い賃金の支払いを求めて同社を提訴しました。
弁護団の一員に
弁護士でもある仁比氏は、弁護団の一員に加わり、毎回の口頭弁論に参加し、勝利ヘカを尽くしてきました。
マツダ原告団の佐藤次徳事務局長は「マツダを提訴する準備をするなかで、仁比さんの国会質問を録画で見ました。派遣労働者の心に寄り添い、思いを代弁して、舛添厚労相に『違法である』という答弁を引き出したことに感動しました。いまや仁比さんは、裁判に欠かせない人になっています」と話しました。
全国の注目のもと、今年3月13日には山口地裁で判決が言い渡されます。
仁比氏は「派遣労働者を法律に反して働かせる、人とは思わず、モノとしか見ない。そうしたことが現実にマツダの職場のなかで行われてきたことを知ったとき、ほんとうに憤りに震えました。裁判も参院選挙も勝利するため全力をつくす」と力が入ります。(しんぶん赤旗 2013年2月7日)