日本共産党の仁比聡平議員は6月1日の参院法務委員会で、政府が入管法改悪案を必要とする根拠=「立法事実」が崩れているとして、「質疑終局はありえない」と主張しました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏は、難民不認定に対する不服申し立てを審査する「難民審査参与員」の柳瀬房子氏が2021年4月までの1年半に行ったとする500件の対面審査について、斎藤健法相が記者会見で「可能」と述べた後に「不可能」と訂正した問題をただしました。

 斎藤法相は「とっさに計算ができなかった」などと弁明。仁比氏は、入管庁の審判課長がこの間、対面審査は年間最大で50~100件だと説明しており、法相にもたびたびレクをしたと話していると指摘しました。

 柳瀬氏は21年の衆院法務委員会の参考人質疑で「難民がほとんどいない」と発言。政府が「立法事実」の一つとしてきました。斎藤法相はこの発言に関し今年4月の記者会見で「対面審査を行って慎重な審査を行った案件を前提として答弁されたもの。わが国の難民認定制度の現状を的確に表している」と述べていました。

 仁比氏は「この認識を前提に衆院での審議は行われてきた」と指摘。その前提の対面審査数を法相自ら「不可能」と否定したものだと追及しました。斎藤法相は「対面審査は当然慎重な審査になるという前提で答弁した」などと述べるだけ。仁比氏は「その前提が欠けている。立法事実は崩れている」と批判しました。(しんぶん赤旗 2023年6月3日)