日本共産党の仁比聡平議員は5月25日の参院法務委員会で、入管法改悪案にかかわって、政府が増加したと主張する一時的に収容が解かれた外国人(仮放免者)の「逃亡」の背景に、仮放免者の地位の不安定さや貧困があると指摘し、同改悪案の立法事実には根拠がないと主張しました。 (質問動画はコチラ)
入管庁は、仮放免許可後の逃亡が増加し、2022年末時点で約1400人に上るとして、法改定の必要性を主張しています。
仁比氏は、入管が逃亡と判断するのは、電話がつながらなかったり、出頭日に出頭しなかったりした場合かと質問しました。入管庁の西山卓爾次長は「ご指摘のような事情をふまえて判断している」と述べました。
仁比氏は、仮放免者は働くことができず、保険もなく、家賃を払うことも厳しい状況に置かれていると指摘。家賃を払えなくなり、友人の家を転々としたり、路頭に迷ってホームレスとなったりした人も逃亡者に含まれているのではとただしました。
西山次長は、「一般論としてそういう状態の方もいる」と認めました。
仁比氏は、逃亡したとされる人たちの背景には、地位の不安定さや貧困があるとして、「政府が立法事実として『逃亡が1400人』と繰り返す数字の中身もそういうものだ」と主張。帰国を拒む外国人を「送還忌避者」とひとくくりにして問題視する政府の姿勢を批判しました。(しんぶん赤旗 2023年5月26日)
- 投稿タグ
- 憲法・人権