風力発電施設の開発は、1基につき山の尾根を縦150メートル、横100メートルにわたって切り盛りして平地にする敷地造成と、工事用道路を開設する大規模な開発です。そのため、乱開発による自然環境の破壊、土砂災害、農業用水への影響など懸念の声があがっています。
周辺住民の低周波などによる健康被害が心配され、周辺で営巣する特別天然記念物のコウノトリなどへの影響が指摘されています。
同年10月には、明治、西郷、東郷地区の住民らが地区の反対決議と1万4千人超の署名を携え、市と県に要請しました。
党鳥取県委員会は10月11日、地元と政府をオンラインでつなぎ、大規模風力発電などで交渉。鳥取市議団の伊藤幾子、岩永安子、金田靖典の各市議が衆院第1議員会館を訪れ、仁比聡平参院議員同席のもと、各担当職員が応対しました。
オンラインで参加した鳥取市の地権者は、事業者から「調査で山に入るのに必要。これで風車が立つわけではない」と迫られて印鑑を押したが、全権を事業者に白紙委任する地上権設定契約だったと憤りを表明しました。
交渉団は、調査のためと偽って結ばせた契約書を振りかざして住民を黙らせ、分断させ傷つけ、不安にさらしていると政府に迫りました。
応対した経済産業省職員は、「ガイドラインで事業者に課した適切なコミュニケーションがはかられていない」「再エネは地域と共生して進めていくのが基本。鳥取市の方から何かあれば相談に乗る。問題を起こすような事業計画は、再エネ導入の推進を阻害する」と明言し、事業者への指導を約束しました。
その後、事業者が市役所を訪れ、「適切なコミュニケーションをはかるよう努力したい」と述べ、住民運動を励ますものとなっています。(しんぶん赤旗 2022年11月3日)