仁比そうへい参院議員は6月1日、参議院の法務委員会で選択的夫婦別姓など民法改正問題、取調べの可視化問題、司法修習生の給費制問題について質問に立ちました。会議録(未定稿)を紹介します。


第174法務委 選択的夫婦別姓など民法改正問題、取調べの可視化問題、司法修習生の給費制問題について(未定稿) 平成二十二年六月一日 仁比聡平

○仁比聡平君
 日本共産党の仁比聡平でございます。
 大臣、御苦労さまです。この法案は、我が党、賛成をさせていただきます。
 国際社会における我が国のありようを考えるときに、国際人権条約の水準に照らして著しく不十分な我が国の現状を速やかに正すことが私は千葉大臣に期待されていると思います。
 そこで、この際、改めて聞いておきたいと思うんですが、まず選択的夫婦別姓などの家族法改正の問題について、九七年以降毎年、私どもも野党時代の民主党の皆さんとも共に共同提案を続けてきたわけですけれども、ところが、その実現を言わば公約をされた政権が成立したこの通常国会においてその法案がないという状況について、女性NGOの中からも逆さまの状況ではないかと、そうした厳しい声も上がりつつあるわけですが、この問題について大臣が今後どのように進めていこうと考えていらっしゃるか、お尋ねをいたします。

○千葉景子国務大臣
 大変厳しい御指摘をいただきました。
 私も、国際的な様々な条約等に照らして、そして国際的な要請にも照らして、民法等の改正、是非実現をすべき課題だというふうに考えておりますし、これまでも取り組んでまいりました。今もその意思は全く変わるものではございません。
 そういう意味では、様々な御意見があることも確かでございます。そういうところにも十分納得をいただき、そしてこれからも説明もさせていただきながら、この法案が早期に国会で御議論をいただくことができますように私もこれからも努力を続けていきたいと、これが今の私の決意でございます。

○仁比聡平君
 取調べ全過程の可視化についてはいかがでしょうか。

○千葉景子国務大臣
 これも、取調べの可視化については、民主党、そして今回、私も是非実現をすべき大きな課題だということで取組をスタートをさせていただいているところでございます。既にこれについては、実現の方向を見定めながら、今省内で勉強会を続けているという状況でございます。是非、これもその取りまとめを着実に進めることによりまして、実現に向けて努力を継続をしていきたいというふうに考えております。

○仁比聡平君
 勉強は、制度の速やかな具体化、実現のためのものだと、大臣、決意をして臨んでいらっしゃると思いますので、その見通しが全く立たないというのでは政権全体の真剣さが疑われてしまうことになると思います。是非、引き続き実現に向けて全力を尽くしていただきたいと要望を申し上げておきたいと思います。
 そうした中で、国民の人権擁護と権利実現を担う法曹の養成の問題について少しお尋ねをしたいと思います。
 司法修習生への給費制度は、資力に乏しくとも法曹資格取得の道を開いて、高度の専門性を持つ多様な法曹を養成して国民の権利実現に貢献をしてきたわけでございます。
 我が党は、平成十六年に、この給費制を貸与制に変えるというその法案には断固として反対を申し上げました。この十一月に、今年十一月に貸与制の導入が予定をされているわけですが、現状でも、例えば日弁連の調査によりますと、修習生の五三%に上る多数の方々が、平均で三百十八万円、最高では千二百万円という多額の負債を抱えて、加えて、弁護士登録後も収入の保障がない、あるいは収入が決まらないなどの理由で弁護士登録をしない方々も増えているということです。
 こうした状況は、平成十六年の法改正の当時には全く想定をされていなかったのではないか。平成十六年の当時に、この給費制を貸与制にという議論を法務省でも、あるいはこの国会でもしているわけですけれども、そのときにこんな事態を想定をしていましたかと、大臣、いかがでしょう。

○千葉景子国務大臣
 私も改めて司法制度改革、それからとりわけて今御指摘のある給費制から貸与制への転換と、こういうときの議論等を振り返ってみるわけでございますけれども、私は全く予測をされなかったということはないだろうというふうに思います。
 その当時も、逆に言えば資力の十分でない人でも法曹になる道を閉ざしてはならないということで、逆に奨学金であるとか、あるいは教育ローンとか、あるいは授業料免除制度等の支援制度を十分に整備して活用しなければいけないというふうにむしろ盛り込まれているわけですので、決して予測がされていなかったというわけではないかというふうに思います。ただ、その額がかなり大きくなっているという現状、これは私もなかなか本当に厳しいところがあるなというふうに思います。
 それから、弁護士登録をしない方が増え