広島県沖の瀬戸内海で、海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」が釣り船「とびうお」に衝突し、船長と釣り客3人を死傷させた事故の真相究明と国への賠償を求めた裁判(広島地裁・谷村武則裁判長)の原告・弁護団は3月23日、不当判決に抗議し、控訴への方針を確認する報告集会を市内で開きました。
遺族の原告や弁護団、支援した真相究明を求める会関係者ら50人が参加しました。
弁護団の田川俊一団長が判決について、「2014年1月の事故から7年、国家賠償請求から4年半を経ての判決だが、事実認定を誤り、おおすみ側の主張をそのまま採用した不当なもので、控訴する方針だ」との声明をよみあげました。
田川団長はその上で、「おおすみが追い越し船としての避航義務を果たさなかったことが衝突の原因で、とびうおは右転していないが原告の主張」と強調。判決は「海自艦に追い越し船の避航義務はなく、艦長のとびうお右転証言は信用できると採用した。しかし右転を艦長もだれも見ていない。運輸安全委員会と海自に忖度(そんたく)し過ぎた不当判決だ」と指摘しました。
池上忍主任弁護士が海上保安庁の「双方に過失がある」との判断を受け検察庁に海自の起訴を要請した際、対応した検察官が「とびうおが直進のままでは衝突しないので、とびおの右転しか考えられない。これを大前提に考えていく」と明言し、釣り船を原因にする意図を隠さなかったと明かしました。
判決を傍聴した日本共産党の仁比聡平前参院議員(弁護士)、大平喜信前衆院議員・党衆院中国ブロック比例候補があいさつしました。(しんぶん赤旗 2021年3月25日)
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