河井案里元議員の選挙買収有罪・当選無効による参院広島選挙区の再選挙が始まります。

 民主主義と公正な選挙の大切さを、私たちは深く考えるときではないでしょうか。ミャンマーで民主化をクーデターで覆し不屈の抗議を続ける市民に凶暴な銃口を向ける国軍の姿に、はらわたをえぐられるような憤りを覚えながら、そう思います。
いうまでもなく選挙は主権在民の土台です。

 候補者の当落は、堂々とした公の舞台で国民がその人物や実績・公約を吟味し、ひとりひとりの共感と投票によって決められるべきものです。自由な意思にもとづく投票を通じて国民がみずから政治のあり方を決定する――その決して傷つけてはならないプロセスをカネの力でゆがめる選挙買収は、民主主義への敵対であり選挙民の冒涜(ぼうとく)にほかなりません。

 それを「他山の石」(二階自民党幹事長)とは何事か。

 河井克行・案里夫妻の買収原資は、自民党本部からの1億5千万円もの異常資金でした。そのうち1億2千万円は血税山分けの政党助成金でした。安倍総理・総裁(当時)から天までもちあげられ、菅官房長官(当時)とパンケーキではしゃぐ案里候補の姿は、強権支配と私物化の安倍政治が行き着いた苦々しい光景でした。まるで論功行賞のように克行氏を法務大臣にした安倍政権の責任はいったいどこに行ったのでしょうか。買収に応じた県議・市議はいまもなお居直ったままです。

 何の説明も反省もせず、頬かむりをきめこんで、金権政治の温存をたくらむ自民党。こんな政治が国民に訴える力をもたないのは当然です。その無責任な政治が1年におよぶコロナ危機をいっそう深刻なものにしてきました。

 広島からもう金権政治の一掃を。安倍・菅政治からの決別を。

 「市民と野党の力で政治を変えよう」と努力を尽くしてこられた市民連合の思いに応えて、宮口治子予定候補を先頭に必ず勝利し、総選挙への道を切り開きたいと思います。(しんぶん赤旗 2021年4月7日)