東京電力ホールディングス(HD)が福島第1原発の廃炉作業などで「特定技能」の外国人労働者を受け入れる方針を示した問題で、放射能汚染物質の除去や原発構内の建物解体の作業には、特定技能外国人が従事できないことが分かりました。4月23日の参院法務委員会での、日本共産党の仁比聡平議員の質疑で明らかになりました。

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 特定技能制度は、外国人労働者が従事できる職を介護や建設など14業種とし、業種ごとに細かな職種も規定。東電が主な受け入れ業種とする建設業について、国土交通省の北村知久大臣官房審議官は、「汚染物質の除去は建設分野の11職種に当てはまらない」と答弁。汚染物質除去後の建物解体作業も「11職種に解体は含まれていないので対象にならない」と述べました。

 仁比氏は、東電が想定する他の業種についても、所管する各省に質問。自動車整備業は「廃炉や原発構内での作業に従事させることは認められない」、ビルクリーニング業は「原発特有の事情による特殊業務への従事は認められない」、外食業は「原発内部の作業は含まれない」と、各担当者が答弁しました。

 一方、産業機械製造業と電気・電子情報関連産業については、経済産業省が「福島第1原発で(対象職種に)該当する事業活動は承知していない」と述べながら、「申請があれば審査する」と含みをもたせました。

 仁比氏は、「東電が誤った認識で受け入れ可能かのように周知していることは重大だ。国は東電に謝罪・撤回と、協力会社への受け入れができない旨の周知徹底をさせるべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2019年4月24日)