日本共産党の宮本岳志衆院議員と仁比聡平、山添拓両参院議員は8月8日、愛媛県南予地域で広範囲に浸水被害を起こした肱川(ひじかわ)にある鹿野川(かのがわ)、野村両ダムを訪れ、災害発生当時の放流の操作状況などを調査しました。林紀子党県委員長、田中克彦県議、梅木加津子大洲市議らが同行しました。
鹿野川ダムを管理する国土交通省四国地方整備局山鳥坂(やまとさか)ダム工事事務所(大洲市)では、ダムの操作は適切に行われたとする回答に、宮本氏は「このダムは適切に操作してもこれほどの被害が出るのか」と批判。応対した石岡克浩技術副所長は今回の大量の放流について「下流に被害が出ることはわかっていた」とも述べました。
野村ダム管理所(西予=せいよ=市)では、応対した川西浩二所長が冒頭、「今回の事態を重く受け止めている。ご指摘を受け、改善するための参考にしたい」とあいさつ。山添氏は「異常放流に入った際、下流の住民らに、その危険性が伝わっていたのか」とただしました。川西所長は「それらも含めて今後の検証課題」と答えました。
その後、一行は被災した野村町内を視察し、党南予地区委員会が、被災した農産物直売所「百姓百品」で開いたつどいに参加。被災した女性(43)は「避難を呼びかけるサイレンなんて全く聞こえませんでした」、男性(60)は「200棟の建物が被害を受け、5人が亡くなったのに国交省からは謝罪の一つもない」と強い口調で訴えました。
一行はまた、西予市役所を訪れ、管家一夫市長と懇談。ダムの放流について、管家市長は「マニュアル通りに操作して被害が出るのならば、それを変えて、安全に放流できるよう示してほしい」と指摘。また、河床の掘削や河川幅の拡張など、河川改修の必要性も強調しました。仁比氏はダム問題に関し「市としても被災した住民の声を国に伝えてほしい」と求めました。
市は9日に国交省野村ダム事務所と共催で住民説明会を開きます。(しんぶん赤旗 2018年8月9日)