参院法務委員会は6月12日、成年年齢を18歳に引き下げる民法改定案を採決し、自民、公明、維新の賛成で可決しました。
反対討論に立った日本共産党の仁比聡平議員は、成年年齢の18歳への引き下げは若者の自己決定権を拡大する積極的な意義を持つものだが、「成年年齢引き下げに伴う問題に対する対策は不十分だ」として、同法案に国民的な合意は成立していないと強調しました。
仁比氏は、「とりわけ、未成年者が法律行為によってどんなに失敗しても『20歳になっていなかった』と証明すれば取り消せる『未成年者取消権』が、悪質業者も20歳未満の若者には手をだせない“鉄壁の防波堤”の役割を果たしてきた。これが18歳未満に引き下げられる影響は重大だ」と厳しく指摘しました。
仁比氏は、本法案提出の契機は2007年の第1次安倍政権による改憲手続き法の強行だと指摘。自民党が衆院本会議で、成年年齢引き下げに伴う弊害について「本法案の審議で議論することは時期遅れ」と述べたことに対し、「参考人からも『耳を疑う暴論』という声が上がっており、もってのほかだ」と批判しました。
反対討論に先立って仁比氏は質疑終局反対の討論を行い、参考人質疑での数々の問題提起や、審議を通じて不当な契約の拘束からいかに解放できるかなどの問題意識が共有され始めたところだと述べ、「法案の賛否にかかわらず若者をふくめ広範な国民の声を聞き審議を深めることが国会の責務だ」と訴え、徹底審議を求めました。
同委員会は、今後2年以内に、消費者の知識・経験・判断力不足などにつけこんで勧誘し、契約を締結させた場合の取消権創設などを政府に求める付帯決議を全会一致で採択しました。(しんぶん赤旗 2018年6月13日)
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