参院法務委員会は6月7日、成年年齢を18歳に引き下げる民法改定案について2回目の参考人質疑を行いました。
京都産業大学の坂東俊矢教授は「民法の法理には、自己決定を積み重ねて徐々におとなになるステップが組み込まれている。未成年者は高額商品などの契約が制限されるが、日常的な取引は年齢に対応し、意味を学びながら締結できる非常に有効な仕組みだ」と強調。
遠山信一郎弁護士は、離婚後の養育費について、現行でも十分な支払いが確保される仕組みではなく、成年年齢引き下げで「養育費の支払い終期が繰り上げられ、今でも脆弱(ぜいじゃく)な養育費がさらに少なくなる」と強調。竹下博将弁護士は「養育費として、大学費用の分担がされなくなるだろう」と述べました。
日本共産党の仁比聡平議員の質問に坂東氏も「大学生になったら契約に関わる全てを自己決定に任せていいのか、教育費は基本的に自分で支弁する社会でいいのか大きな疑問だ」と語りました。
仁比氏は「家庭裁判所の組織体制や機能を踏まえ、養育費改善を法案の施行期間までに実現できるか」と質問。竹下氏は「裁判所はこの問題にふれたくないのではないか。そう思うほど後ろ向きだ」と述べました。(しんぶん赤旗 2018年6月14日)