徳島市の沖洲(おきのす)の人工島マリンピアに小松島競輪場外車券場「サテライト」を建設する計画は、地元過半数の署名を集めるなど大きな住民運動で昨年、許可申請の取り下げに追い込まれました。ところが10月24日、住民にはなんの説明もないまま、原秀樹市長が突然「建設に同意」したことを発表。住民に大きな怒りが広がっています。
反対署名の重み受け止めよ
場外車券場建設は2007年、予定地の地元住民には知らせないまま、産業団地の企業で構成するマリンピア協議会が建設に同意。沖洲一帯の住民は「サテライト建設に反対する市民の会」を発足させ、署名活動を始めました。
09年、小松島市と業者は、地元の沖洲地区コミュニティ協議会に「沖洲住民には説明だけでよい」とウソの説明で「合意書」を結び、業者は経産省に許可申請を提出し、予定地で工事を始めました。
日本共産党の加戸悟市議は、衆院四国ブロック事務所長の笹岡優氏と経産省へ出向き、仁比聡平参院議員(当時)が同席する中、沖洲地区コミュニティ協議会の「合意書」は「同意書」ではないとわかり、許可しないよう要請しました。
「市民の会」は、10年に過半数を超える署名を市長へ提出。市長は「署名には重みがある」「地元意見を尊重する」と答えていました。
今回の市長の「同意」を受け、「市民の会」は「同意」を取り消すよう要請しましたが、市長は「建設予定地のマリンピアには町内会がなく、大阪のサテライト判決では、地元は半径200メートル以内としている(マリンピアの場合は海)。不同意にする根拠がなく同意の判断をした」と答えました。
住民は、「地元住民世帯の過半数が反対しているのになぜ同意するのか」「『署名には重みがある』と言ったことはウソだったのか」という怒りの声とともに、東日本大震災時、徳島市にも「大津波警報」が出され、マリンピアの出入り口が閉ざされ、大渋滞が発生。パニック状態を目にした住民からは「たくさんの客が押し寄せるギャンブル場ができたらどうなるのか」といった不安の声も上がっています。
加戸市議は、今回の「同意」は「市議会や市長の『地元住民の理解が大事』としていた議会答弁を踏み破るもので到底許されません」と話しています。
加戸市議は12月2日、仁比氏、笹岡氏、「市民の会」の加藤真志代表世話人とともに経産省へ出向き、「不許可」の要請をする予定です。(しんぶん赤旗 2011年11月29日)