○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
 私は、会派を代表して、二〇一七年度決算に反対、内閣に対する警告に賛成、国有財産増減及び現在額総計算書に反対、国有財産無償貸付状況総計算書に賛成の立場から討論を行います。
 反対の理由の第一は、政府が、国民犠牲のアベノミクスによって貧困と格差を大きく広げ、暮らしと景気に大打撃を与えてきたからです。
 二〇一七年の施政方針演説で、総理は、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれていると都合の良い数字ばかり並べて胸を張りましたが、国民にそんな実感は全くありませんでした。それどころか、リストラや過労死、子育てや教育、介護の負担、病気などで、かつて中間層と言われた人々を含めて、誰もが貧困に陥ってしまう社会の立て直しこそ政治に問われていました。
 二〇一四年の消費税八%増税を契機に、増税前に比べ実質家計消費は年二十五万円も落ち込み、実質賃金は年十万円も低下しています。経済の六割を占める個人消費が冷え込み、米中貿易摩擦の下、輸出頼みの日本経済にとりわけ暗雲が垂れ込めています。景気動向指数は二か月連続で悪化を示しました。総理は、今国会でも、景気回復の温かい風が全国津々浦々に吹き始めていると繰り返してこられましたが、もう繕いようはありません。景気悪化の中で、無謀な自滅行為と言うべき消費税の十月一〇%増税の中止を強く求めます。
 日本共産党は、家計を応援し、貧困と格差を是正する、明日に希望の持てる政治への大転換に全力を尽くします。
 八時間働けば普通に暮らせる社会へ、抜本賃上げと労働時間の短縮を進めるべきです。政府は、二〇一七年予算でも、企業による攻めの投資を後押しするとして大企業優遇税制を強める一方で、改悪労働者派遣法による非正規化とともに、行き過ぎた雇用維持型を転換するといって労働者をリストラする大企業と人材ビジネスを助成金で応援し、多様な正社員化の名の下に低賃金、労働条件で解雇しやすい限定正社員への転換を促進しました。裁量労働制、残業代ゼロの働き方改革など、雇用破壊はもうやめるべきです。
 総理がこの六年で増えたと自慢した就業者三百八十四万人の七割は年金では生活できず働かざるを得ない高齢者、二割は高い学費でバイト漬け、奨学金は将来の返済が不安で借りられないという学生たちでした。最低賃金を直ちに千円に引き上げ、千五百円を目指すべきです。最低賃金引上げとセットで社会保険料の事業主負担の減免を中心に、中小企業支援を大幅に拡充すべきです。
 二〇一七年度、政府が始めた給付制奨学金は対象が余りにも限られています。全ての学生を対象に、大学、短大、専門学校の学費を速やかに半額にし、無償化を進めるべきです。月三万円の給付制奨学金を七十万人に拡大し、奨学金の利息は全てなくして、お金の心配なく学び、子育てできる社会をつくろうではありませんか。
 安倍政権は、社会保障費の自然増分を三年間で一・五兆円抑え込むとして、二〇一七年度、千四百億円を抑制し、後期高齢者医療保険料の大幅引上げ、七十歳以上の高額療養費の患者負担増など、更なる医療や介護の負担増と給付減を推し進めました。
 年金暮らしのお年寄りから、安倍さんや麻生さんも、一月でいいから月五万円か六万円で暮らしてみたらどうかと訴えられましたが、そのとおりではありませんか。減り続ける年金、天引きされる高い介護保険料、必要な介護サービスの取上げ、高過ぎて払えない国保料、全く足りない認可保育所。本来暮らしを支えるはずの社会保障が、逆に生活を苦しめています。政府の責任は重大です。
 公費一兆円の投入で、国保料の半減、介護保険料の減免、子供医療費は国の制度で無料へ進み、保育、介護、障害者福祉で働く皆さんの賃金は直ちに五万円引き上げるべきです。
 金融審議会市場ワーキング・グループの、年金暮らしの夫婦の赤字は月五万五千円、人生百年時代、退職後三十年間で二千万円不足するという報告書に、百年安心どころか、年金を当てにせず貯金せよ、投資せよとは国家的詐欺だと噴き上がる国民の怒りに色をなして反論した総理の姿は異様でした。
 麻生大臣は、報告書の受取を拒否すると言います。政府の政策スタンスと異なると言いますが、ワーキング・グループで厚労省の年金課長が、公的年金の給付はマクロ経済スライドにより水準の調整が見込まれ、私的年金の重要性が増すと述べているとおり、年金が減っていくことも、その年金では暮らせないことも、政府が政府の資料に基づいて示したものではありませんか。
 都合の悪いことは力ずくでなかったことにしようとするのはいかにも安倍内閣らしいやり方ですが、自民党の参議院選挙公約には、報告書と同じように、人生百年時代の到来を踏まえ、つみたてNISAを更に普及する、私的年金の活用促進を進めますと書いてあり、隠しようはありません。
 国民年金の平均年金額は月五万一千円、厚生年金でも女性の平均額は月十万二千円で、年金受給者の七割は年二百万円未満にすぎません。退職金も使い果たし、貯蓄のない世帯は、高齢世帯でも三割を超えています。年金生活の水準を保障する責任を放棄し、投資して増やせと自己責任を強いるのは、棄民政治にほかなりません。虎の子の貯金もリスクにさらせと露骨に迫るアベノミクスの正体見たりというべきです。
 物価の上昇より年金額の引上げを抑えるマクロ経済スライドの発動などで、安倍政権の七年間で物価は五・三%上昇したのに年金はマイナス〇・八%、実質六・一%も減らされました。その目減りは、現役時代に低賃金だった労働者ほど大きくなります。マクロ経済スライドを廃止し、減らない年金を実現すべきです。全ての低年金者に、まずは月五千円、年間六万円の底上げを行うべきです。
 日本共産党は、消費税に頼らず、大企業優遇税制を正し中小企業並みの基準で法人税の負担を求めれば四兆円、証券優遇税制を正すなど富裕層に応分の所得税を払ってもらえば三・一兆円、米軍への思いやり予算などを正して〇・四兆円、合わせて七・五兆円の財源を生み出す政治への転換を提案します。
 総理は、経済自体が相当ダメージを受ける、成長どころかマイナス成長になるなどと言いますが、その安倍政権の下で一体何が起きているでしょうか。
 大企業は史上最高の利益を上げ続けましたが、日本経済全体に還流することなく、大企業の内部留保は百二十二兆円増えて四百四十二兆円にも膨れ上がりました。年金積立金や日銀マネーでつくられた株高で富裕層に巨額の金融資産が集中し、アメリカの経済誌フォーブスが発表した日本の長者番付上位四十人の資産は、安倍政権の七年間で七・七兆円から十八・六兆円へと二・四倍に増えています。この異常な格差を正し、九九%の人たちの幸せに寄り添う政治に変えてこそ、暮らしの希望と好循環の経済をつくれます。
 反対理由の第二は、世界で異常な米国追随政治です。
 安倍総理は、トランプ大統領と会うたびに日米同盟の強化ばかりを強調し、新ガイドラインと憲法違反の安保法制に基づく地球規模での日米一体の戦争する国づくりを推進し、沖縄でも本土でも民意を踏みにじって米軍基地を増強してきました。二〇一七年度の軍事費の決算額五兆二千七百四十二億円は、最高額を五年連続更新する大軍拡です。
 辺野古新基地建設は直ちに中止し、普天間基地の閉鎖、撤去を米国に強く求めるべきです。
 防衛省による余りにもずさんな適地調査が明らかになったイージス・アショアや欠陥機F35の購入など、米国兵器の爆買いはやめるべきです。
 反対理由の第三は、リニア新幹線の三兆円財政投融資や、総事業費一兆六千億円もの東京外環道など、不要不急の大型公共事業を優先するとともに、東京電力が負担すべき福島第一原発事故の費用を国民に押し付け、原発再稼働と核燃料サイクルにしがみついてきたことです。
 二〇一七年、森友学園問題をめぐって公文書が改ざんされ、財務省理財局長と国土交通省航空局長が会計検査院の独立性を脅かす協議を行っていたことまで発覚いたしました。政治の私物化の真相解明に蓋をし、共謀罪を強行したのが安倍政権です。
 迫る参議院選挙で、市民と野党の本気の共闘を実らせ、強権、そんたくの安倍政治を終わらせ……
○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間が超過しております。簡単に願います。
○仁比聡平君(続) 暮らしに希望の新しい政治を切り開くために、全力を尽くす決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)