【18.04.05.】196国会4月5日法務委員会「選択的夫婦別姓導入早く」

196回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日は、政府が提出をした民法の一部改正案の基本的考え方について大臣と議論をしてみたいと思います。

今回、男女の婚姻年齢を統一をされようという法案を提出されたわけです。この部分は、私、大賛成なんですね。このことによって、九六年法制審答申のうち政府が法案をいまだ提出しないのは選択的別姓だけになりました。

その下で、先日、二つのカップルにお話を伺ったんですが、自分が自立した個ではなくなる気がした、お互いに相手に強要するのはおかしいよねと、事実婚を選んだカップルですけれども、出産で万が一の事態があったときに、親族でないと手術の意思決定ができない可能性があるということで、一旦妻が夫の籍に入り、出産後、離婚届をすると。けれども、次の世代までも私の違う名前が残されていくというもやもや感が拭えないという趣旨の声だったんです。私、この声聞いてはっとさせられたんですね。

大臣、まず、そういう思いで別姓を選択するという生き方、信条、これを法律婚として認めるべきではない、あるいは排除すべきであると、そういうお考えでしょうか。

○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のように、婚姻を考えている当事者の双方が同じ氏を変えたくないという理由で、法律婚をすること、これを断念し事実婚にとどまっている方がいらっしゃるということについては、こうした御指摘、重く受け止めております。

もっとも、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、単に婚姻時の氏の選択にとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子の氏の問題など、我が国の家族の在り方に深く関わる大変重要な問題であるというふうに考えているところでございます。

また、直近、平成二十九年十二月に内閣府が実施いたしました世論調査、五年に一回調査しているものでございますが、直近の調査によりましても、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして国民各層の意見が分かれているということが改めて示されたということにつきましても、そうした事の重さというものも理解をしているところでございます。

ただ、平成二十四年の世論調査の結果と比べて、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見、これが、この割合が増えているということも事実でございます。例えば、十八歳から二十九歳までの、三十歳代で選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見、これも半数を超えておりますので、世代間の意見に大きな違いが見られたということも今回の調査の特徴ではないかというふうに思っております。大変貴重なデータがこの中に含まれているものというふうに考えているところでございます。

その意味で、今後、今回の世論調査の結果につきましては、例えば、配偶者、子供、兄弟の有無などの違いによってどのような意識の違いがあるのか、また、選択的夫婦別氏制度に賛成の方、反対の方などが他の質問につきましてどのような回答をしてきたのか、このことにつきましてもきめ細やかな分析を行いまして、過去の世論調査の結果とも比較検討を行うなどした上で、引き続き対応につきましても検討してまいりたいというふうに思っております。

○仁比聡平君 冒頭私が紹介したような、言わば多様性あるいはアイデンティティーの尊重を求める声、この声に対して重く受け止めていると、そう御答弁をされたことは大事なことだと思います。

ところが、その後、長々と、この国会でずっと繰り返しておられるその世論調査、その世論調査自体が、もう高齢者の層に限られてしまっている、反対という声が。とりわけ若いところでは賛成という声が大きくなっている。けれども、家族の在り方などを理由として、あるいは盾として、その選択的別氏に私は極めて後ろ向きな姿勢だというふうに言わざるを得ないと思うんですね。

別のカップルの声として、ふだんは困っていないけれど、やっぱり私たちは法律婚を望んでいるんだという、そういう思いを語られた方もあります。

大臣、もはやですよ、同姓、同氏を強制するという現行法が多様な生き方を排除することになっていると、現行民法がそういう生き方を排除していると、そういう認識に私は立つべきだと思います。上川大臣が、政治家として多様性、アイデンティティーの尊重と、その立場から選択的別氏制度について積極的だったと私も理解をしておりましたけれども、ところが、安倍内閣で法務大臣になったら途端に極めて後ろ向きと。この姿勢は、最初に大臣がこの法務委員会に来られたときに私厳しく指摘をしましたけれども、大臣がやるべきは憲法二十四条が定める個人の尊厳の実現だと、そのことを肝に銘じていただきたいと重ねて申し上げておきたいと思います。

今日、時間が限られていますから、この成年年齢の引下げに関わって、未成年者取消し権という、民法第五条ですね、お手元に条文をお配りをしていますけれども、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。けれども、未成年者が独自に自分の判断でできる、処分できる、そういう法律行為もこの条文の中に定められているわけですが、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げようというこの提案によって、十八歳、十九歳がこの未成年者取消し権によって保護されていたもの、この保護を外そうというのが大臣の提案、政府の提案ということになるわけです。

この未成年者取消し権の保護を十八歳になった人からは外すという理由は、これ何ですか。

○国務大臣(上川陽子君) 未成年者に対しまして契約等の取消し権が付与されているということにつきましては、民法上、成年者と未成年者との最も重要な差異の一つでございます。したがいまして、お尋ねの未成年者取消し権による保護から外す理由でございますが、それは成年年齢を引き下げる理由にほかならないものであるというふうに考えられるわけであります。

少子高齢化が急速に進行している我が国におきましては、若年者の社会参加の時期を早めるという観点から、十八歳、十九歳の者に参政権が与えられることとなりました。このように、国政上、十八歳以上の者を一人前の大人と見て将来の国づくりの中心とするという政策的な判断がなされたことを踏まえますと、法制度としての一貫性、また簡明性といった観点からは、市民生活の基本法であります民法におきましても、十八歳、十九歳の者を成年者として取り扱うのが適当であると考えられます。

また、G7構成国やOECD加盟国のほとんどは成年年齢と選挙権年齢を共に十八歳と定めておりまして、様々な面で国際的な交流が進む今日の状況の下で、我が国が成年年齢を二十歳のまま維持する合理性は見出し難いものであるというふうにも考えるところでございます。

こうしたこともございまして、この間、さらに義務教育、この義務教育も国民の間に浸透して、高校進学率が九八%を超えていること、また、平成二十年度及び二十一年度、学習指導要領等の改訂によりまして様々な教育が行われているということでございますので、総合的な考慮でございますが、今国会に提出した民法の一部を改正する法律案につきまして、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げることとしたところでございます。

○仁比聡平君 いや、結局そうやってるる述べられるけれども、国法上の統一という自民党の方針もありましたが、それ以上のことは語られない。特に、十八歳、十九歳のこの未成年者取消し権を外す必要性については全くお答えがないわけですね。

もう皆さん御存じのとおり、十八歳、十九歳の成熟さ、あるいは未熟さについては、これは様々な議論があるわけです。十八歳になった人に完全な取引行為の主体としての独立性を本当に認めていいのか、未成年者取消し権を一律に外してしまうという、こういうことを本当にやっていいのかということについては強い懸念があるわけですね。

これ、大臣、どこでどのような検証を行ったんですか。

○国務大臣(上川陽子君) これまで、政府におきましては、平成二十一年の法制審議会の答申で指摘されました若年者の自立を促すための施策や、また消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策といたしまして、消費者教育の充実を始めとする様々な施策に取り組んできたところでございます。

成年年齢を引き下げる民法改正案の準備の過程におきましては、政府・与党におきまして検討を行った結果、これまでに取り組んできた環境整備の施策の状況、あるいは公職選挙法が改正され、実際に十八歳、十九歳の者が参加する選挙が実施されるなどの社会経済情勢の重要な変化等を踏まえまして、この段階で国会の御判断を仰ぐこととしたものでございます。

成年年齢の引下げにつきましては、広く国民的な議論を喚起する必要がある問題でございまして、今国会におきまして、この法務委員会におきましても大いなる議論をしていただけたらというふうに考えているところでございます。

○仁比聡平君 つまり、この法案提出に当たって、今申し上げた私のテーマについてのしっかりとした検証というのをどこでも行っていないんですよ。

大臣が答弁の中で触れた法制審というのは二〇〇九年のものですよ。もう十年近く前。その法制審の答申は、今大臣が少し紹介されたような、施策の効果などの若年者を中心とする国民への浸透の程度、それについての国民の意識を踏まえた国会の判断に委ねるのが相当であるというふうに言っている。

大臣も、今、国会の判断を求めるために法案を提出したという趣旨のことをおっしゃいましたが、だったらば、私たちのこの国会、とりわけ法務委員会の責任は重いですよ。本当に十八歳、十九歳の未成年者取消し権、これ、法律家的に言うと鉄壁の防波堤ですよ。どんな大変なことがあっても、あるいは失敗をしても、私は二十歳になっていませんという事実を証明さえすれば全て取り消すことができるわけですから。その保護を本当に外していいのかと。これ、まともに検証がされていないということが私、明らかになったと思うんですけれども。

この二〇〇九年の法制審のときには、日弁連だとかあるいは消費者関係の団体だとかの意見を聞いたりしている場があります。けれども、その後、こうした関係団体を、参画していただいた議論の場というのをこれつくっていないでしょう、大臣。

○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のように、成年年齢の引下げのための条件が満たされたかどうかということの判断をするための会議という意味におきましては、日弁連や消費者関係団体が参加した会議を開催したことはございません。

政府といたしましては、成年年齢引き下げる上での環境整備については相応の効果が上がっているというふうに考えておりまして、今回、民法改正法案を今国会に提出したわけでございますが、この環境整備につきましては今後も取り組むべき重要な課題と認識しているところでございます。

この法案が成立した後も、引き続き、この施行までの間にも更に関係省庁と連携をしながら環境整備のための施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

○仁比聡平君 政府が判断した、政府・与党が国法上の統一が必要だと考えたといって、十八歳、十九歳の現実、実態をしっかり受け止めた検証さえせず、その皆さんへの保護を外すことによって重大な被害が起こるのではないかと懸念する専門家団体の声も聞かずにこの法案の審議をごり押しをしていくなんというようなことは絶対に許されないし、徹底した慎重審議が必要だということを強く申し上げて、今日は時間来ましたから質問を終わります。


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