“何が秘密かも秘密”の特定秘密保護法をめぐり、運用状況を「監視」するとした参院情報監視審査会(原則非公開)は4月3日、2月に続く2回目の公開質疑を行いました。野党側は、外国から得た特定秘密を提供者の承諾なく第三者に提供しないとする「サードパーティールール」の適用基準に関し、前回の上川陽子法相の答弁が曖昧で不誠実だったとしてさらに追及しました。

 質問は中曽根弘文審査会会長が代表して行いました。野党側は、国会にさえ秘密を「提供できない場合」について、秘密提供元が「内閣限りにしてほしい」「国会にさえ提供されることがいけない」と明言する以外に、どのような場合があるかと質問。上川氏は「現段階で予断をもって答えるのは困難」との答弁に終始しました。

 さらに、審査会に提供可能か否かを提供元に「照会できない場合」とは何かとただしても、上川氏は「情報提供元に確認できるか否かも含め、予断をもって答えることは困難」と説明を拒みました。

 また野党側は、政府は外国から得た秘密を「秘密保護措置を講じた国会」に提供する場合、提供者の承諾を原則確認すると説明しているが、警察庁がこの間の審査会で慎重に対応すると答弁したり、他省庁が提供元に照会せずに提供した事例もあると指摘。「省庁ごとに異なる見解が示されたことは事実ではないか」とただしたのに対し、上川氏は野党が示した事実に全くふれず、「関係省庁で認識を統一した」との答弁にとどまりました。

廃止すべきだ

 日本共産党の仁比聡平議員(情報監視審査会委員)の話 2回目の公開質疑で、上川大臣の不誠実な答弁をさらに追及できたことは重要です。しかし、「秘密保護措置を講じた国会」にさえ「提供できない場合」や、提供可能か否かを提供元に「照会できない場合」について明確な答弁はありませんでした。“何が秘密かも秘密”という秘密保全体制のもと、「何が提供できないのか」「なぜ出せないのか」も秘密であることが公開された国会審議ではっきりしました。秘密保護法は廃止すべきです。(しんぶん赤旗 2018年4月6日)