【17.05.29.】193通常国会 本会議『共謀罪法案への代表質問』

193回国会質問

193通常国会2017年5月29日本会議『共謀罪法案への代表質問』

 

〔仁比聡平君登壇、拍手〕

○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、憲法違反の共謀罪、組織的犯罪処罰法改定案を何が何でも押し通そうとする安倍政権に満身の怒りを持って抗議するとともに、総理及び関係大臣に質問いたします。

まず、加計学園疑惑について伺いたい。

格差が大きく広がる中で、政治や行政を私物化し、これが発覚すると権力ずくで隠蔽する。森友学園疑惑に国民はあきれ果て、うんざりする中、総理の腹心の友が理事長を務める加計学園の獣医学部新設問題について、前川文科省前事務次官の重大な発言がなされたのです。にもかかわらず、先ほど来の開き直った総理の答弁に国民の怒りは沸騰することでしょう。

同学部新設を可能ならしめた規制緩和が総理の意向という一連の文書は、確実に存在した、次官として共有していた文書であり、あったものをなかったことにはできない。極めて薄弱な根拠で、公平公正であるべき行政がゆがめられたという証言です。

事は総理自身の進退に関わる重大問題です。文科省に直ちに再調査を指示すべきです。予算委員会の集中審議と前次官の証人喚問に直ちに応じ、自ら真相を明らかにすべきであります。そこに背を向け、重大な権力の恣意的濫用が懸念される共謀罪法案を推し進めるなど、もってのほかではありませんか。

衆議院法務委員会の強行採決に、説明不十分という国民の声は七七%に上りました。説明できない法案通すなという怒りの声は当然です。ところが、これを受けて金田大臣が、これまでどおり、丁寧な答弁に努め、理解を得ていきたいと答弁したのにはあきれ返るばかりです。

質疑をすればするほど国民の懸念が広がる。それは、総理、そもそも法案がどんな行為を処罰の対象とするのか全く不明確で、人の生命や身体、財産などの法益を侵害する危険性が客観的にはない合意や実行準備行為を、限りなく人の内心に踏み込んで処罰するものだからではありませんか。

その捜査の危険は重大です。恣意的濫用にどう歯止めを掛けるというのですか。内心の捜査に歯止めは掛けられない、それは、治安維持法と戦前の我が国社会の痛苦の教訓です。だからこそ定められた憲法十九条、二十一条、三十一条に法案は明らかに反し、近代刑法の大原則を根底から覆すものではありませんか。

この国会の冒頭、総理は、テロ等準備罪であって、これを共謀罪と呼ぶのは全くの誤りであると強弁しましたが、法案が紛れもない憲法違反の共謀罪であることはもうはっきりしました。にもかかわらず強行する政府・与党に対して、この間、国際社会からも厳しい忠告が寄せられています。

総理にお尋ねしたい。

一つは、総理が、テロ対策のためにTOC条約締結が必要、そのために共謀罪が不可欠としてきた、条約の国連立法ガイドを起草したニコス・パッサス教授が、東京オリンピックのようなイベントの開催を脅かすようなテロなどの犯罪に対して、現在の法体系で対応できないものは見当たらないとし、条約を批准することは可能、国内法の整備は法の支配にのっとり公正でなくてはいけない、日本国民の意向を反映させるべきだと忠告していることです。この指摘をどう受け止めますか。TOC条約は、国内法原則、すなわち日本国憲法に従って国際組織犯罪対処の措置を求めているのです。既に国会承認はなされており、現行法で条約を締結すべきです。

もう一つは、国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ教授が、TOC条約批准のためという政府に対し、このことはプライバシーの権利に対する十分な保護もないこの法案を成立することを何ら正当化するものではありませんと厳しく批判していることです。政府が国連の立場を反映するものではないなどと反発するのは、独立した立場で人権理事会への報告を行う特別報告者の権限を理解しない、驚くべき姿です。外務大臣、特別報告者の任務と権限について明確に説明いただきたい。

国連条約のために必要不可欠と言いながら、国連特別報告者からプライバシー権や表現の自由への過度の制限になると厳しく批判されたらこれを敵視する。国際社会に通用するはずもありません。総理、抗議を撤回し、特別報告者と協議を行うべきではありませんか。

政府は、実行準備行為が行われて初めて処罰されると言いますが、今や法務大臣は、花見であればビールや弁当を持っているのに対して、下見であれば地図や双眼鏡を持っていると、荒唐無稽な答弁に至っています。幾ら実行準備行為が必要と言ってみても、結局、犯罪とは無縁な市民の日常生活と区別できないのではありませんか。

組織的犯罪集団の計画に基づくものに限定したとも言います。総理は、一般の方々が対象となることはあり得ないと言い、大臣は、一般人とは組織的犯罪集団と関わりない人と繰り返します。しかし、法案の組織的犯罪集団とは、その言葉から多くの国民がイメージする、あらかじめ特定された暴力団やテロ組織のことではありません。結局、政府は、人々が何かを話し合い合意をしたことを警察が重大犯罪の共謀だと疑いを掛けたとき、その人々が組織的犯罪集団だと警察が判断すると言っているだけではありませんか。何の説明にもなっていないだけでなく、捜査権力を振るう国家の側が、警察に捜査対象と目されれば誰もが一般人でなくなるという態度こそ、強権姿勢にほかなりません。

我が国の警察は、戦後も、犯罪の未然防止や任意捜査の名で、犯罪とは無縁の市民の人権、プライバシーを深く侵害する公安警察活動、司法警察活動を行い続けてきました。

国家公安委員長、岐阜県警大垣署が、中部電力の子会社の風力発電計画について勉強会を開いた地元住民の個人情報を収集し、その会社に提供したことを通常業務の一環とした認識は今も変わらないのですか。

昨年夏の参議院選挙で、大分県警別府署が野党統一候補を推す労働組合の事務所を隠し撮りした事件について、敷地に侵入しなければ任意捜査として許されるとした認識でこれからも行うのですか。

GPS端末を被疑者のみならず知人や交際相手の車にもこっそり取り付けて、二十四時間三百六十五日監視しながら、裁判所の令状も取らず、警察組織全体に保秘の徹底を厳命して、国民はもちろん、検察官にさえ隠し続けてきたのが警察です。プライバシーを著しく侵害することは明らかなのに、任意捜査だとしてきた理由は何ですか。

総理、このように秘密裏に、可能な限りの技術を用いて国民のプライバシーを侵害してきた警察の活動をなお正当化されるのでしょうか。

四月下旬、新たに日本に関するスノーデン・ファイルが明らかになりました。Xキースコアと名付けられた監視システム、すなわち、インターネット上でやり取りされるあらゆる通信を複製、保管し、必要なときに検索、閲覧可能なスパイのグーグルと呼ばれる世界規模の通信監視システムが、二〇一三年四月には米国NSAから防衛省情報本部電波部に提供されていたというのです。総理、日本はこの提供を受けたのですか。防衛省情報本部電波部の部長は代々警察庁出身者が務めているのではありませんか。明確な答弁を求めます。

共謀罪を新設して人々の話合いを広く処罰対象とするなら、警察権限を拡大し、情報通信技術が一層高度化する中、監視社会への危険を飛躍的に強めることになります。それは、特定秘密保護法、安保法制、戦争法、憲法九条改憲と一体に、戦争する国づくりを推し進めようとするものにほかなりません。日本共産党は、国民の皆さんと力を合わせ、断固として廃案を求めて闘う決意を表明し、質問を終わります。(拍手)

〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仁比聡平議員にお答えをいたします。

獣医学部の設置についてお尋ねがありました。

私は、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めるよう常々指示してきましたが、獣医学部の新設については、これまで繰り返し申し上げてきたとおり、特区の指定、規制改革項目の追加、事業者の選定のいずれのプロセスも関係法令に基づき適切に実施しており、圧力が働いたということは一切ありません。このことをまずはっきりと申し上げたいと思います。

そもそも、今治市の獣医学部誘致は、平成十九年、構造改革特区に最初の提案があって以降、自民党政権下で対応不可とされていました。これが民主党政権下で平成二十二年度中を目途に速やかに検討と、前向きに格上げされております。(発言する者あり)

○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) こうした中、当時の民主党政権下の文部科学副大臣が国会で、産業動物獣医師や公務員獣医師の役割は重要になっておりますし、その確保について懸念があるというのは私どもも承知いたしております、現在、協力者会議を設置して議論を重ねているところでございますと答弁し、さらに、民主党政権下の平成二十二年六月に閣議決定した成長戦略に言及して、新成長戦略の中で、ライフイノベーションへの対応など、今後の獣医学教育の在り方について検討を新成長戦略によってすべし、こういうことになっているところでございまして、そのことに沿って今はまさに検討を行っていると答弁しているところであります。

その上で、獣医学部の新設について、国家戦略特区諮問会議等の一連の手続、関係省庁の合意というプロセスを経て、政府全体として適切に判断したところであります。

なお、民進党から提出された文書については、文部科学省において調査を行った結果、該当する文書の存在は確認できなかったと承知しています。また、テロ等準備罪は、その対象が組織的犯罪集団に限定されており、その成立要件が明確となっているなど、捜査機関が恣意的に適用することはできません。

規制改革には抵抗勢力が必ず存在します。岩盤のように固い規制に挑戦すればするほど、既得権益を握る勢力の激しい抵抗は避けられません。そうした中で、獣医学部の新設という半世紀ぶりの改革に向けて、民主党政権においても大変な御苦労をされたものとお察しいたします。

しかし、安倍内閣はいかなる抵抗勢力にも絶対に屈しません。政局目的で、政局目当てで既得権益に妥協したり、抵抗勢力と手を結ぶようなことはありません。これからも総理大臣である私が先頭に立って、内閣の総力を挙げてあらゆる岩盤規制に挑戦していく決意であります。

テロ等準備罪の処罰対象、恣意的濫用の防止策、憲法や刑法の原則との関係についてお尋ねがありました。

テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が関与する一定の重大な犯罪の計画行為に加えて、実行準備行為が行われた場合に限って成立するものです。すなわち、テロ等準備罪は、計画行為及び実行準備行為という行為を処罰するものであって、内心を処罰するものではなく、思想、良心の自由を侵害するものではありません。また、捜査機関による捜査については、テロ等準備罪についても現在行われている他の犯罪と同様の方法で刑事訴訟法の規定に従い、必要かつ適正な捜査を行うこととなります。

テロ等準備罪の処罰範囲は明確かつ限定的なものであるとともに、我が国においては裁判所による審査が機能していることから、捜査機関による恣意的な運用はできない仕組みとなっています。したがって、テロ等準備罪の創設は、憲法が保障する国民の権利、自由を不当に制約するものではなく、憲法に反するといった御指摘は全く当たりません。

テロ等準備罪が成立する場合には、その計画された犯罪が実行される可能性が高い上、一たび実行されると重大な結果が生じることが多く、特に悪質で違法性が高く未然防止の必要性が高いことから、実行の着手前の段階であっても処罰する必要性が高いと考えられます。我が国の刑事法においては、特に重大な犯罪や取締り上必要がある犯罪について、予備罪や共謀罪等、実行の着手前の行為をも処罰することとしており、テロ等準備罪もその処罰の必要性の高さに着目して創設するものであることから、我が国の刑事法における刑罰の基本的な定め方に整合するものであり、近代刑法の大原則を覆すといった御指摘も全く当たりません。

パッサス教授の指摘と現行法で国際組織犯罪防止条約を締結することについてお尋ねがありました。

国連の立法ガイドは二〇〇四年に作成されましたが、その後、ISILのような凶悪なテロ組織が登場して世界各地で活発に活動し、日本人も犠牲になっています。こうした組織は様々な犯罪行為で収益を上げ、それを資金源に暴力的な活動を行っています。今日の国際社会においては、テロ行為そのものへの対処に加えて、テロ行為を可能とする資金源を断つことがテロの最終的な根絶に向けて効果的な方策となっています。

二〇一四年十二月に採択された安保理決議は、あらゆる形態のテロリズムを防止するために共同して取り組むことの必要性を強調し、国際組織犯罪防止条約を始めとする国際約束を優先的に批准し、加入し、実施することを加盟国に要請し、テロリストが国際組織犯罪から資金を得ることを防止するよう明確に求めています。

本条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪を行うことの合意又は組織的な犯罪集団への参加の少なくとも一方をその未遂又は既遂とは別に犯罪化することを義務付けています。しかし、我が国においては、現行法上参加罪は存在しない上、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎません。

このように、我が国では現行法が本条約第五条が定める犯罪化義務を満たしていないことは明らかであり、テロ等準備罪を新設しなければ本条約を締結することはできないと考えています。

カンナタチ教授から発出された公開書簡についてお尋ねがありました。

カンナタチ教授は、伊原在ジュネーブ代表部大使に宛てた別の書簡の中で、自分はこれまでNGOが作成したテロ等準備罪処罰法案の非公式な英訳を見て立場を表明してきたが、日本政府の公式な英訳を見た上で、自分の立場が間違っているのであれば立場を訂正する用意があると述べています。

特別報告者は、各国の人権状況について調査し、その結果を人権理事会へ報告することとなっていますが、今回の公開書簡はそのような正式な報告ではなく、唐突に発出されたものです。この公開書簡は、法案を作成した当事者である日本政府からの説明を聞くことなく、一方的に見解を表明した著しくバランスを欠く不適切なものであります。この点について、G7タオルミーナ・サミットの機会に懇談したアントニオ・グテーレス国連事務総長も、人権理事会の特別報告者は国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない旨述べていました。

カンナタチ教授による今回の言動は著しくバランスを欠き、客観的であるべき専門家の振る舞いとは言い難く、また信義則にも反するものです。日本政府の説明を無視した一方的なものである以上、政府のこれまでの説明の妥当性を減ずるものでは全くないと考えております。

我が国の取組を国際社会において正確に説明するためにも、この公開書簡の照会事項については、追ってしっかりと我が国の立場を説明するものを返したいと考えています。

警察の活動についてお尋ねがありました。

警察がその責務を果たすために行う行動は、もとより法令に基づき適切に遂行されなければならないものであります。警察には、引き続き、国民の信頼に応えるべく、法令を遵守し、適正に職務の遂行に当たってもらいたいと考えております。

防衛省情報本部電波部に関わるお尋ねがありました。

御指摘のいわゆるスノーデン・ファイルと呼ばれる出所不明の文書について、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。

防衛省情報本部の電波部長には警察庁出身者が就いてきていますが、これはその時々の任命権者が適切に判断した結果であると認識しています。

残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

〔国務大臣金田勝年君登壇、拍手〕

○国務大臣(金田勝年君) 仁比聡平議員にお答えを申し上げます。

まず、実行準備行為と市民の日常生活上の行為との区別についてお尋ねがありました。

これまでの議論では、ある行為が実行準備行為に当たるか否かを判断するに当たり、計画をした者であるか否かや計画の具体的内容を問題とすることなく、当該行為のみから実行準備行為該当性を判断するかのような誤解があるように思われます。

しかしながら、テロ等準備罪における実行準備行為は、条文上、計画をした者のいずれかにより計画に基づき行われることが必要とされております。したがって、ある行為が実行準備行為に該当するためには、まず、計画をした者による計画に基づく行為と認められることが必要であります。

その上で、行為の目的などの主観面についても捜査や認定の対象となりますが、その際には、一般的な犯罪における犯意の認定などと同様に、様々な証拠のうち、客観的証拠や供述の裏付け証拠の有無、内容が重視されるものと考えられます。

このように、実行準備行為に当たるか否かの判断に当たりましては、計画をした者による計画に基づく行為と認められるか否かに加えまして、当該行為をしている者の携帯品、当該行為をしている際の状況など、外形的な事情も行為の目的を区別する一つの要素となり得るものと考えております。

なお、先日、私が、例えば花見であればビールや弁当を持っている、下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っていると答弁いたしましたのも、このような理解を分かりやすく説明するために外形的事情としての携帯品の例を申し上げたものにすぎず、それらの携帯品を所持していることから直ちに下見目的の実行準備行為と認定できると考えているわけではありません。

次に、政府が一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とはならないと説明していることについてのお尋ねがありました。

テロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の具体的な嫌疑がなければ捜査が行われることはありません。犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定しない場合には、一般の方々も犯罪の嫌疑があれば捜査の対象となります。

しかしながら、テロ等準備罪には、組織的犯罪集団が関与する犯罪、重大な犯罪の計画行為、その計画に基づく実行準備行為という厳格な三つの要件が設けられております。このように、組織的犯罪集団が関与する犯罪との要件を設けたことによりまして、客観的に組織的犯罪集団に関わり合いがあるとの嫌疑が認められなければ、その者に対する捜査は行われません。

そして、組織的犯罪集団とは、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など違法行為を目的とする団体に限られ、一般の方々がこれらと関わり合いを持つことがないのはもちろん、関わり合いを持っていると疑われることも考えられません。

したがって、組織的犯罪集団と関わり合いのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は、テロ等準備罪の被疑者として捜査の対象となりません。

このように、我々は、捜査機関が捜査対象と考えたかどうかで一般の方々か否かを判断しているわけではありませんので、御指摘は当たりません。(拍手)

〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

○国務大臣(岸田文雄君) 国連人権理事会の決議により設置されたプライバシーの権利特別報告者の任務と権限についてお尋ねがありました。

特別報告者とは、特定の国の状況又は特定の人権に関するテーマに関し調査報告を行うために、人権理事会から個人の資格で任命された独立の専門家であり、同専門家の見解は国連の立場を反映するものではありません。

今回のプライバシーの権利特別報告者が発出した公開書簡は、法案を作成した当事者である日本政府に対して照会するなどの機会を持つことなく、公開書簡の形で一方的にその見解を発表した点で不公正かつ不適切であると考えております。

その上で申し上げるならば、プライバシーの権利特別報告者は、二〇一五年三月に国連人権理事会において採択されたデジタル時代のプライバシーの権利決議によって設置されました。決議において、プライバシーの権利特別報告者は、プライバシーの権利の保護、促進に向けて、情報収集、国際会議等への参加、意識啓発等を任務とするとされております。また、特別報告者は、その任務の範囲内で各国への情報提供の要請あるいは調査訪問等を行うことができる、このようにされていると承知をしております。(拍手)

〔国務大臣松本純君登壇、拍手〕

○国務大臣(松本純君) 岐阜県大垣警察署の活動について、通常行っている警察業務とした過去の答弁についてお尋ねがありました。

警察は、公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で必要な範囲において警察活動を行っており、このような活動を通常行っている警察業務と表現したものと承知しております。

なお、一般論として申し上げますと、警察においては、テロ対策や犯罪、トラブルの未然防止など、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため必要な情報収集を行っていますが、もとより、法令に基づき適切に職務を遂行しているものと承知しております。

次に、大分県警察における不適正捜査についてのお尋ねがありました。

お尋ねの事案は、昨年七月施行の参議院議員通常選挙の違反取締りに当たっていた大分県別府警察署において、公職選挙法違反に関する証拠を採取する目的で別府地区労働福祉会館敷地内にビデオカメラを設置し、同敷地内の駐車場及び会館への出入口を撮影したものと承知しております。

大分県警察本部による調査、捜査の結果、別府署員の行為は、刑法の建造物侵入罪に該当する上、他人の敷地内を撮影する必要性及び相当性も認められないことから、不適正な捜査であったと認められたものであります。

警察においては、本事案を受け、全国の都道府県警察に通達を発出し、捜査用のカメラの適正な使用の徹底について指示するなどしたところであります。今後とも、同種事案の再発防止に向け、警察を指導してまいる所存でございます。

次に、GPS捜査についてのお尋ねがありました。

これまで警察においては、連続的に発生する窃盗等の一定の犯罪の捜査において、捜査上特に必要があるときに限り、捜査対象車両にGPS端末を取り付けて、その位置情報を検索する捜査を行ってきたと承知しております。

警察においては、こうしたいわゆるGPS捜査は尾行を機械的に補助するものであり、通常の張り込みや尾行等の方法と比して特にプライバシー侵害の程度が大きいものではなく、刑事訴訟法第百九十七条第一項に基づき任意捜査として行うことが許容されると考えていたものであり、同旨の裁判例も複数見られたところであると承知しております。

しかしながら、本年三月、最高裁判所判決において、GPS捜査は強制処分に該当するとされたところであり、警察庁においては、この判断を真摯に受け止め、都道府県警察に対して通達を発出し、こうした捜査を控えるよう指示したものと承知しております。(拍手)


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