○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 私はまず、税の滞納者に対する差押え、取立ての在り方について関係大臣にお尋ねをしたいと思います。
 鳥取県で昨年、〇八年の六月十一日にある宅建業者のTさんという方の銀行口座に児童手当が十三万円振り込まれましたところ、鳥取県東部総合事務所がこのTさんの自動車税などの滞納を理由に差押えをし、そしてその日のうちに取り立ててしまいました。
 今お手元に資料が配られていますが、その最後のページに差し押さえられたTさんの預金通帳の写しがございます。
 御覧いただきましたらお分かりのとおり、この児童手当が振り込まれる六月十一日前は七十三円しか残高がありません。六月十一日に児童手当が十三万円振り
込まれ、その同日、県税事務所が七十三円と合わせて十三万七十三円全額を差し押さえ、そして取り立てているわけです。この県税事務所の差押えは児童手当の
振り込みからわずか九分後に行われたということが、その後、明らかになりました。
 当時、このTさんのおうちは、一年前ですけれども、高校二年生のお姉ちゃんを始めとして、中学一年生、小学校四年生、小学校一年生、そして保育所の年中
さんという五人の子供さんがおられる御家庭で、奥さんは肝臓や甲状腺などを患って、病弱で働けません。そして、お父さんが認知症で入院するという本当に大
変な生活の状況にございました。その中で、この宅建業、不動産業、この本業で食べていけない状況になっていっていたわけですね。この経済的な苦境の中で、
本業では食べていけないという中小零細の自営業者の方々は大変急増しております。
 この方に私もお会いして伺いましたら、三年ほど前から極端に不動産の動きが悪くなって、売上げは、二〇〇六年はその前の年の五〇%、〇七年、この決算の
年ですけれども、は更に前年比二割から三割、そしてこの差押えがなされた〇八年六月当時は、不動産の仲介は全くなくなってしまって、アパートの管理費でほ
んのわずかな手数料が入るという程度になってしまっていたといいます。ですから、アルバイトに出て働いていたんですけれども、こうした税金の支払ができな
くなっていたわけですね。
 もう少し御紹介をしますと、本当に大変な生活の中でこの六月十一日に振り込まれた十三万円の児童手当は、この家族にとって大変貴重な大事なお金でした。
といいますのは、高校当時二年生の子供さんの高校入学後の教材費、あるいは予定されていた修学旅行、この積立てのお金がそういった家庭事情の中で七万七千
円滞納になっていたわけです。この支払を、お父さん、お母さんはもちろん、当時高校一年生から二年生に上がった子供さんも厳しくその支払を迫られておりま
した。小学校の方でも給食費が約九万円滞納するという形になってしまって、学校から両親は、払えないと給食を止めぬといけぬ、給食を止められたら子供さん
にかわいそうなことになるでしょうとまで迫られていたわけです。ですから、この六月十一日に十三万円入るから、滞納している高校の金額の全額と、そして残
りを給食費を払うという約束をそれぞれ小学校、高校としていたわけですね。ところが、それが果たせずにこの差押えの後、この家族の生活は破綻をしていくこ
とになります。
 まず、国税庁にお尋ねをしたいと思いますけれども、一般に滞納処分について、滞納者の今申し上げたような生活の実情、これを無視して財産を差し押さえるなどあり得ないことだと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(岡本佳郎君) 一般論としてお答えさせていただきます。
 我々、財産の差押えに当たりましては、滞納者の個々の実情に即しつつ、法令等の規定に基づき適切に対応をいたしておりまして、預金等の差押えに当たりましても、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える影響をも考慮して慎重に対応しているところでございます。

○仁比聡平君
 今、国税庁から御答弁をいただいたように、その実情に即しつつ行うのであると。これ、四月の十七日に同じ問題を与謝野大臣に
衆議院で我が党の佐々木憲昭議員がお尋ねをしていますけれども、税の行政も血も涙もあるものなんだという御趣旨の御発言がございました。国税庁、もう一度
確認ですけれども、その即すべき実情というのは、これは滞納者の個々の実情を徴税担当者の方で十分把握してつかむべきものなのではないですか、いかがで
す。

○政府参考人(岡本佳郎君)
 御指摘のとおり、我々の方でも財産調査とか滞納者の個々の実情をよく調査した上で慎重に対応するということでございます。

○仁比聡平君
 また、先ほど御答弁あったのかもしれませんが、滞納者の生活の維持あるいは事業の継続に対してこれ甚大な影響を与える、これ
を差し押さえたら生活そのものが壊されてしまうと、そういう事態のときに国税庁はまさかそういう財産を差し押さえることはないと思いますけれども、いかが
です。

○政府参考人(岡本佳郎君)
 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、例えば差し押さえる財産の選択につきましても、第三者の権利を
害することが少ない財産であること、それから特に滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であること等に十分留意して選択しているとこ
ろでございます。

○仁比聡平君
 そこで、舛添大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、児童手当は、これはもう大臣に申し上げるまでもなく、子供が健全に育っていくことができるように給付されているものだと思います。
 本件につきましても、この御両親は、子供さんたちの給食費や高校の教材費や修学旅行の積立て、こういったものを払って、子供たちが学校で楽しくすくすく
と育つことができるようにと、当てにしていたわけですよね、学校と約束までしていました。私もお会いして、お気持ちが本当につらくなりましたけれども、こ
の日の朝九時半に銀行に行かれたそうです。ATMで引き出そうとしたら、これ引き出すことができませんということになったときのその途方に暮れた思いとい
うことを考えますと、本当につらくなるわけです。
 私は、児童手当は子供たちのために最優先で使われるべきものだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)
 今委員が御指摘のように、児童手当は、児童を養育している者に支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としており、児童の養育のために用いていただくということであります。
 法律論を純粋に言うと、差押禁止規定が児童手当法にはありますけど、これは、今私が申し上げたことを前提にして、支給を受ける権利の差押えは禁止してい
ると。ただ、口座にお金が入って、これ、お金に色が付いていないものですから、そこまでの差し押さえることまでは禁止してはおりません。ただしかし、こう
いう行政の目的ということに照らして、関係官署がよく、どういう目的でこのお金が振り込まれているのかということをしっかりと念頭に置いて、児童手当の趣
旨が生かされるようにやるべきだと、まあ一般論として申し上げれば、そういうように思います。

○仁比聡平君
 ありがとうございます。
 その今大臣が前提としておっしゃった法律論、あるいはお金に色が付いていないという問題については、後ほどもうちょっと議論させていただきたいと思うんですね。
 佐藤総務大臣、先ほど国税庁にお尋ねしましたけれども、実情を十分把握すべきであると、滞納者の。そうした配慮すべきであるというのは、これ地方税も全く同じだと思いますが、まずいかがでしょう。

○国務大臣(佐藤勉君)
 差押えを含む滞納処分については、地方税においても基本的に国税徴収法に規定する滞納処分の例によることとされておりまして、おっしゃるとおりだと思います。

○仁比聡平君
 ところが、私が調べる限り、御本人に伺う限り、鳥取県はそうした個別的事情、具体的事情は全く考慮しておられませんし、把握もしておられない、で、この差押えに臨んだのではないかと私は思っております。
 納税義務者本人が、つまりTさんがこの件で徴収担当者に面会をしたのは三回であるということは、これは双方が認めるところなんですけれども、そのいずれ
も不動産を営んでいるその事務所でのことなんですね。いつお客さんが入ってくるか分からない、そういう状況の中でのことです。その場所で徴収担当者から、
鳥取市内の不動産の市況はどうなのか、景気はいいのかとか、○○町の坪単価は大体今幾らぐらいですかとか、そういう景気の一般的な話はあったけれども、生
活がどうですか、生活の実態はどうですかというのは聞こうともしなかったというんですね。子供が何人かも聞かれたことがないというんですよ。このTさんは
親身に私たちの生活について聞いてほしかったと、そういうふうに訴えておられます。
 当日、児童手当だから取り上げないでくれというふうにTさんは差押えを受けたことを知って県税事務所に要請に行っているんですが、それにも応じていません。一方で、Tさんの財産についてはいろいろ調べているということがその後判明してまいりました。
 同じ県税事務所の担当者は、昨年の六月十一日に同じく児童手当がその口座に振り込まれているということを既に調査で把握をしております。大体、市から児
童手当が振り込まれる日というのはこれ決まっているわけでありまして、これが何日の何時ぐらいに振り込まれると、その口座を差し押さえればこれは取り立て
ることができるということはこれは容易に知り得ることでありますし、県の担当者は重々承知をしておったのではないか。それを知っていながら、この通帳を御
覧いただくように、わずか九分後、これ手続としては、差押えの通知書を当該銀行の支店に徴税担当者が持ってそれを渡せば差押えの効力は生ずるんです。そう
いうやり方でねらい撃ちで児童手当を取り上げると、こんなやり方はまさに血も涙もないひどいやり方だと私は思いますけれども、佐藤大臣、いかがですか。

○国務大臣(佐藤勉君)
 一般論としては、先生の御趣旨はよく理解をさせていただきます。
 ただ、税務職員には地方税法上の守秘義務というものが課せられておりまして、総務省が個々の事案の内容について情報提供を受けることは大変守秘義務に抵
触するおそれがありますから、総務省として個々の事案について事情を伺い、指導を行うことは困難というふうに思いますけれども、先生がおっしゃる趣旨を踏
まえて、よく検討させていただいて、そういう事案等々を理解できるような指導はしてまいりたいというふうに思っております。

○仁比聡平君
 私の申し上げる趣旨をよく理解できるように指導していきたいというその御答弁は、私、今大事な御答弁だと承っているんですが、もう少し深めたいと思うんですよ。
 国税庁、もう一回お尋ねしますけれども、差押えの通知書を第三債務者に交付しに行くというときに、徴税担当者がその振り込みが児童手当であるということ
を知ることはこれは容易でしょう。前日までは七十三円、今十三万円入った、これは出どころは児童手当だ、これ知ることは簡単なことだと思いますが、いかが
です。

○政府参考人(岡本佳郎君)
 一般論でお答えさせていただきますけれども、財産の差押えに当たりまして、滞納者の生活の維持又は事業の継続
に与える影響を考慮して、そうした差押えについては慎重に行っているところでありまして、必要と認められる場合には、預金の原資についても確認をいたして
いるところでございます。

○仁比聡平君
 つまり、預金の原資、振り込まれたのが何手当か、あるいは年金かということをこれ知ることはできるんですよね、税務当局は。
 そこで、舛添大臣の先ほどの御答弁の中で、お金に色は付いていないというお話があって、もちろんお金には色は付いていないんですよね。けれども、本件の
この通帳を見ていただくと、この預金口座に入っているお金が児童手当であるということは、これは明らかでしょう。識別できるんですね。そういうときに、お
金に色が付いていないって、付いているじゃありませんかというのが私が強く申し上げたいことなんです。
 確かに一般財産に混入してしまうとその識別ができなくなってしまう、そのときに一般財産か差押禁止のそういう債権に基づくものかを区別できなくなってし
まう、そのときに差押えは絶対してはならないというふうには言えませんよという最高裁の判決があるというのは私も承知をしていますが、その事案は一般財産
に混入してしまっている事案なんですよね。この事案というのは、年金が受け取られた口座にその年金の受取のほかに多数の取引があって、年金の振り込みの後
に入出金が多数回存在している、だから原告の一般財産に混入しその識別ができないものとなっているという、そういう事案なんです。それでもその最高裁は、
差押禁止の趣旨はきちんと考慮されなきゃいけないんだと、そういうものなんだというふうに評価もされていますし、議論もされてきました。
 それならば、識別できるならどうなのかという議論が当然あるわけですね。
 これ、民事の債権差押えの問題ですけれども、東京地裁の確定した二〇〇三年五月の判決があります。これ、年金の件ですが、年金が差押禁止の趣旨を全うす
るためには、年金受給権に対する差押えに限らず、つまり年金受給権そのものを差し押さえるというのはこれはできないことだけれども、その受給権者が年金を
受給した後の預金、つまり年金そのものですね、振り込まれたその年金、お金そのもの自体に対する差押えも許されるべきものではない。そして、年金受給権者
が受給した年金を金融機関、郵便局に預け入れしている場合にも、当該預貯金の原資が年金であることの識別が可能であるときは、年金それ自体に対する差押え
と同視すべきものであって、当該預貯金に対する差押えは禁止されるという判決がありまして、これは確定しているわけです。
 同じような考え方に基づく下級審の判決というのは幾つかあるんですよね。そうした判決例があるんだという事実そのものは、国税庁それから総務省、御存じですか。

○政府参考人(岡本佳郎君)
 個別の判例について今直ちにお答えはできませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、個々の実情をよく判断して対応すべきということでやらせていただいております。

○政府参考人(河野栄君)
 引用された判例そのものについては承知をしておりませんけれども、平成十年の二月十日の最高裁の判例におきまし
て、これは、一審判決におきまして、年金等の受給権とそれからそれが転化したところの預金債権を別とした一審判決を支持して上告を棄却した例はあるという
ふうに承知をしております。

○仁比聡平君
 それぞれ大臣が、差押禁止債権、児童手当、この本件では児童手当、ここ、よくその趣旨考えなきゃいけないと言っているのに、
どうしてそういう答弁するんです。その最高裁の判決が私が今申し上げた識別ができないと言っている事案だと言っているんじゃないですか。その後に下級審判
決が幾つも出て確定しているんですよ。
 お尋ねしますけど、最高裁のその判決は確かにお金に色はないという趣旨の判決をしました。けれども、それはそうした預金が発見された場合にすべてを差し押さえなさいというふうに命じている判決ではないでしょう。

○政府参考人(河野栄君)
 地方税法におきましても、この滞納処分の実施に当たりまして、滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき
などにおきましてはその執行を停止することができると、こういった条項もございますので、個々具体のケースにつきましては、滞納者の個別具体的な事情とい
うものを踏まえまして、こういった制度の運用によって適切に対応をしていくということが適当であろうというふうに考えております。

○仁比聡平君
 与謝野大臣にお尋ねをしたいんですが、大臣、よろしいですか。ちょっとここでやっぱりお尋ねをすべきだと思いますので。
 与謝野大臣、改めて伺いたいんです。私、前回の御答弁は、四月の御答弁はお気持ちよく分かるつもりでおるんですけれども、改めて伺いたいのは、今日も申
し上げているような差押禁止債権による給付が預貯金に振り込まれた場合、その実情あるいは滞納者の生活の実情をつかまずにそれを差し押さえるべきではない
のではないかという一点。少なくとも、その原資が差押禁止債権であることが識別できる場合、差押えは行政としてこれはやめるべきじゃないかと。いかがで
しょうか。

○国務大臣(与謝野馨君)
 これは県税事務所のやったことなので、我々がそれの当否を御答弁するのが適当かどうかということはあるんです
が、一般論として申し上げれば、やっぱり税法は厳格に適用しなければならないというのは一方では当然のことですけれども、それじゃ機械的に法律というのは
適用していいのかと。
 私はこの前も大門議員にお答えしたんですけれども、法律というのは、すべての法律はその具体的個別案件に対して相当性とか妥当性というものを持っていな
きゃいけないと、そう思っております。刑法でいいますと、やっぱり刑事訴訟法の中の起訴便宜主義というのはまさにそういう考え方に基づいているものである
と私は思っております。
 税法を適用する場合も、一方では厳格でなければならないということは当然なんですけれども、やっぱり個別の事情に応じた相当性のある判断をしなければな
らない。これは相手の今までの納税経歴とか御家族のこととか家業の状況とかいろんなことを知らないとできないことなんですけれども、やっぱり税を取る方は
いざこういうものを差し押さえるときにはそういう努力も少しはしていただかないと、社会的な妥当性を欠くような行政になってしまうと。
 一方では厳格でなければならないけれども、一方では相当性を持つということがあらゆる法律の適用に当たっては私は必要なんではないかと思っております。

○仁比聡平君
 先ほど総務大臣にも確認をしましたように、滞納者の生活の実情をつかまない差押え、取立てというのは、これは私はあり得ない
ことだと思うんですよ。今、与謝野大臣からも前置きがありましたように、これは県の税務でありまして、ですから佐藤大臣にじかに権限が今あるわけではない
とは思うんですけれども、だからこそ先ほどの、よく検討したいという、そういう御答弁だったと思うんですけれどもね。
 私、今後こんな血も涙もないやり方はしないんだという政治の姿勢、私たちのこの日本の国における税務のありようを、今少し与謝野大臣もおっしゃられまし
たけれども、そのありようをはっきりさせるためにも、今からでもこの十三万円をお返しできるように検討されてはいかがかと思いますけれども、いかがです
か。

○国務大臣(佐藤勉君)
 今の先生からお話をいただいたこと等々を踏まえて検討してまいりたいというふうに思っております。

○仁比聡平君
 時間がなくなりまして、最後に、この件について文科大臣に、お待たせしましたが、お尋ねしたいと思います。
 一つは、先ほどもお話ししましたように、この子供さんたちが通っていた小学校で、滞納している給食代を親が払えないなら子供に給食を出すのを止めるんだ
というふうな言葉が学校の側から保護者に発せられているわけです。少なくとも、私はそのように直接御両親からお伺いをいたしました。
 もう一つ、高校、当時二年生の御長女ですが、そうした家庭の事情で滞納が払えない、なかなか払われないというので、学校の側から高校一年生の三学期の二
月に、バイトをして払ってはどうかというふうに勧められて、学校からバイトの許可を得て働き始めるんですね。そうすると、三月にそのバイト料が振り込まれ
る郵便局の貯金の口座、この通帳と印鑑とキャッシュカードを学校に預けろという話になって、その彼女は泣いて嫌だと言ったそうです。私をなぜ信頼してくれ
ないのか。ところが、六月十一日にこの差押えになり、滞納分が払えなくなってしまって、とうとう取り上げられてしまうことになったんですね。バイト料が入
る日は学校の先生の車で学校のすぐ近くの郵便局に引き出しに連れに行かれて、そこで学校にお金を払って、通帳や印鑑もまた返す、キャッシュカードを返す、
そんなことになっているんですよ。
 こんなことは学校においてあってはならないことだと私思いますけれども、大臣、いかがですか。

○国務大臣(塩谷立君)
 ただいま委員からのお話の中で、小学生の給食の件でございますが、これについては直接私ども把握しておりませんで、もし、そういうことが先生から生徒にお話があったということは大変遺憾なことだと思っております。
 それから、長女の方の話でございますが、私どもが受けている報告ですと、いずれにしても、高校の授業料はすべて減免という措置をとって、その他修学旅行
とか経費等を払うために本人と相談して、学校、家庭、親と相談してアルバイトで払いましょうということになったということを聞いておりまして、それも口座
を預けるときも本人の了解を得て、たしかお母さんから通帳を受け取ったというふうに聞いております。
 先ほどの税務署の話は私どもちょっと把握していませんので分かりませんが、いずれにしても、本人の了解の下で、アルバイトでそういった修学旅行とかある
いはその他経費を払うようにということで、学校が通帳を預かったと。そして、出し入れは本人のみがやるというようなことを聞いておりましたので、事実関
係、私どももまたしっかりと把握しながら、もし、委員がおっしゃっているように、学校の先生が銀行まで連れていってその場でというようなことがあれば非常
に問題だと。そういったことについては、本人の気持ちを十分に配慮して、よくよく相談してやっていくことが大事だと思っております。

○仁比聡平君
 この高校生は、結果として高校を中退するということになりました。学校をやめてしまっているんですよ。大人たちは私を信用してくれないのかと、そんなふうに今も訴えています。
 私はそのお母さんにもお尋ねしましたけれども、娘さんが嫌がっているから親の権限であなたがこれを持ってきてくださいと学校から迫られたというふうに証言をしています。是非実情をはっきりつかんでいただきたい。
 そして、こんなことが絶対に今後、日本中のどの学校でも起こることがないように厳しく指導をしていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

――――――――――――
討論

○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、平成十九年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。
 予備費関係五件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認めます。
 これより予備費関係五件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○仁比聡平君 日本共産党を代表して討論を行います。
 二〇〇七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び同特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)は、承諾することに反対です。
 C型肝炎特措法成立に伴う給付や特別児童扶養手当給付、基地爆音訴訟賠償金、選挙経費など、当然に必要な経費については是認できますが、ここに含まれる
自衛隊のインド洋派遣経費及びイラク派遣経費は憲法九条に違反し、到底容認できないからです。また、特別会計の弾力条項に基づく経費の増額措置は、そのほ
とんどが都市再生プロジェクト等推進の大規模開発であり、毎年度ほぼ同じ項目が同様に増額措置されているという本予算以上の事業推進の常態化となっている
からです。
 一方、特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、(その2)、同特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)は賛成です。
 食糧麦の買入れは、需要に比して自給率は低い現状にあり、輸入に頼らざるを得ないこと、また台風や梅雨前線豪雨などによる森林被害の増加に伴う保険金支払に伴う措置は妥当だからです。
 また、交付税及び譲与税配付金特別会計は、国税の一定割合を地方公共団体に交付するための特別会計であるところ、二〇〇七年度は地方に配分される自動車重量譲与税譲与金を増額する必要が自動的に生じたためであるからです。
 以上をもって、討論といたします。