成年年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改定案が5月30日、参院で審議入りし、日本共産党の仁比聡平議員が本会議の質疑で「広範な国民の声を聞き、若者が置かれる立場を検証しながら、国民的議論が必要だ」と徹底審議を求めました。
仁比氏は、成年年齢の引き下げは18、19歳の若者の自己決定権を拡大する積極的意義があり、国際社会の流れにも合致すると強調。一方で、消費者被害の拡大など大きな問題が存在し国民的な合意が成立しているとは言えないと指摘しました。
成年年齢の引き下げ議論の契機が、2007年の第1次安倍政権による改憲手続き法強行にあったことを指摘。「法律による年齢区分は、各立法目的や保護法益によって定められるもので、(自民党が主張する)『国法上の統一性』やわかりやすさだけで決めることはできない」と批判しました。
その上で、18、19歳を未成年者取消権の保護から外すとした具体的理由、法制審議会が示した年齢引き下げ実施のための条件を満たしたと判断した根拠をただしました。
上川陽子法相は、具体的理由や根拠は一つも示さず「政府としては法制審のあげた条件を満たしたと考える」などと政府の判断だと発言。多くの国民が引き下げに懸念を示していることにも「世論調査は唯一の手段ではない」と開き直りました。
仁比氏は、「多くの問題を含んだ本案を審議する国会の役割は極めて重い。政府・与党が決めたからと言って押し付けることは絶対に許されない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2018年5月31日)
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