水俣病のたたかい“患者の体の一部に”


 国民の願いを国会に届け、苦難の解決に奔走する日本共産党と仁比そうへい参院
議員・比例候補の議席は、西日本17県になくてはならないものです。参院選公示まで1カ月余り。どの党が伸びれば要求実現につながるのか。その答えは国民
の声にはっきりと表れています。第1回目は公害病の原点・水俣病をめぐるたたかいに見てみます。







 水俣病不知火患者会の吉海ヤエ子さん(66)=水俣市=は2009年6月、患
者切り捨て、加害企業チッソの免罪につながる水俣病特措法の成立を前に上京。「誰が誰だかわからない」何人かの国会議員を前に自身の被害を涙ながらに訴え
ました。



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 幼少時から行商が売りに来る魚を毎日のように食べ、残った骨は焼き、すりつぶ
してふりかけにするほど多食しました。めまいを起こし、よく転倒するなど体の弱かったヤエ子さんを、父はリヤカーに乗せて、片道3時間かけて病院に連れて
行ったといいます。




 いまも多い日は一晩に4~5回もこむらがえりが起き、痛み止めなど十数種類の
薬が欠かせません。




 議員のなかにただ1人、自分の話に涙を流し、懸命に聞いている人がいました。
「あとで仁比さんだと知りました。絶対に忘れません」




 04年7月の当選以来、一貫して水俣病問題にかかわり続け、調査、懇談、演説
会と、幾度も不知火海沿岸に足を運んだ仁比さん。水俣病特措法をめぐっては、党国会議員団の先頭に立って断固反対の論陣を張りました。




 不自由な体をおして、急きょ上京した患者らの座りこみや院内集会などあらゆる
抗議行動を激励。同法が審議された参院環境委員会(09年7月7日)では、傍聴した患者・支援者の思いを代弁しました。




 「すべての被害者を救済せよ―この叫びは必ず国民世論の共感を広げて、真の全
面救済の扉をこじ開けるでしょう」



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 同患者会の南アユ子さん(66)=水俣市=はこの時上京した一人。奮闘する仁
比さんの姿が目に焼き付いているといいます。「国会で、被害者の声を伝えるのは共産党だけでした。『仁比さんが何とかしてくれる』、それぐらい頼もしかっ
た」


 当時野党だった民主党を含む賛成多数で同法は可決され、反対を貫いた政党は日
本共産党だけです。




 ノーモア・ミナマタ訴訟原告団の大石利生団長は「被害者の声を一番聞いたのは
共産党と仁比さん。まったくブレず、一貫していた」と評価します。




 同訴訟は今年初め、被告・国を初めて和解の席に着かせ、基本合意を締結するま
でに至りました。大石団長は「仁比さんが自分のこととしてやってくれていることに支えられている。いままで通りの支援をお願いしたい。仁比さんと共産党と
一緒に、すべての被害者救済を成し遂げたい」と語っています。




 冒頭の吉海さんは、こんな表現で仁比さんへの信頼をあらわしました。「仁比さ
んは水俣病患者の体の一部」(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年5月22日)