日本共産党の仁比聡平議員は5月11日の参院法務委員会で、入管法改悪案について質問し、出入国在留管理庁の裁量で保護すべき難民認定手続き中の人が「送還忌避者」とされている問題を追及しました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏は、難民申請者のなかには複数回申請を行うなかで難民と認められた人や、裁判で認定された人が数多くいると指摘。こうした難民申請者をひとくくりに「送還忌避者」として扱うことについて、「入管の、まるで生殺与奪をすべて握ったかのような自由な裁量だとでも言うのか」と批判しました。

 仁比氏は、2021年末時点の「送還忌避者」の累計3224人に触れ、同年中の新たな「送還忌避者」数と、送還や難民認定、人道配慮などで「送還忌避者」ではなくなった人数、さらに難民申請中は本国への送還が停止される「送還停止効」の乱用・悪用だと入管庁がみなした件数をただしました。

 「業務上統計を作成していない」と繰り返す西山卓爾入管庁次長に仁比氏は「結局、入管が疑っているというだけだ」と強調。生命、自由が脅かされる恐れがある国への送還を禁じたノン・ルフールマン原則との関係をどう考えるのかと迫りました。

 斎藤健法相は、同原則に反する送還は「起こり得ない」と強弁。仁比氏は、それならば入管の難民不認定の判断が覆されることなどありえないはずだと批判しました。(しんぶん赤旗 2023年5月12日)