日本共産党の紙智子議員は4月25日の参院農水委員会で、長崎地裁が出した国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門差し止め判決を山本有二農林水産相が受け入れ、控訴しない姿勢を示したことに対し、強く抗議しました。

(質問動画はコチラ)

 紙氏は、国に開門を命じた福岡高裁判決がすでに確定しており、国は判決の履行義務を負っていることを確認。長崎地裁でも国は部分的な開門なら農業被害は防げると主張していたことをあげ、「国が控訴権を放棄するようなことがあれば、漁業者の不信感、現地での混乱はますます大きくなるばかりだ」とただしました。

 山本農水相は「(福岡高裁が下した開門義務を国は)負っている」としながらも、「現実に開門することは著しく困難になってきた」などと主張しました。

 紙氏は、長崎地裁で進んでいた和解協議を決裂させたのは、農水省が開門しないことを前提にした「想定問答集」を作成して説得工作を行い、不信と混乱を招いたからだと指摘。「国がやるべきことは、部分的な開門なら農業被害は防げるとしてきた主張を具体化し、和解協議の場をきちんとつくることだ」と強調しました。

国は責任果たせ 仁比氏

(質問動画はコチラ)

 仁比聡平議員も、同日の参院法務委員会で、「差し止め判決を確定させたら問題の解決が極めて困難な事態になる。控訴し、しっかりと農漁共存でどうやって有明海を再生するのか、高等裁判所での和解の場を国がリードしてつくることも含めて国が責任を果たすべきだ」と迫りました。(しんぶん赤旗 2017年4月26日)