国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を求める長崎、佐賀両県の漁業者と干拓農地の営農者らが11月19日、長崎県雲仙市瑞穂町で深刻な被害を聞く会を開きました。

 瑞穂漁協の元組合長の石田徳春さんらが呼びかけ、約40人が参加しました。日本共産党の仁比聡平前参院議員、高瀬菜穂子、立川由美両福岡県議、西田京子諫早市議、上田篤雲仙市議と無所属の松坂昌應島原市議が参加しました。

 干拓農地の営農者で開門を求め訴訟を続ける男性は、「県から干拓農地は優良農地で、何かあっても農業を守って支えると言われて入植した。しかし、調整池のおかけで冬は非常に冷たく、夏は暑い。厳しい経営を強いられている」と話しました。元営農者の男性は「2時間の土砂降りで干拓農地全体が水浸しになりジャガイモは腐ってしまう。品質が悪く、安くしないと売れなかった」など撤退を余儀なくされた実態を語りました。

 漁業者は「今まで取れていたコハダが全然取れなくなった」「総水揚げが100万円ある人は半分もいない。80人いた漁師が今は18人。あと5年すれば漁師はいなくなる」などと訴えました。

 仁比氏は、「今日の話で漁業者、農業者どちらも諫早湾干拓事業が抱えている有害性の被害者だということが明らかになった」と語りました。(しんぶん赤旗 2019年11月27日)