○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理大臣問責決議案は委員会審査を省略して本会議に上程すべきであって、ただいまの動議に反対する立場から意見を述べます。

安倍総理を問責する理由を挙げることに枚挙にいとまはありません。与党諸君はこの決議案を堂々と本会議において議論し、決すべきであることは当然であると考えます。

この夏の参議院選挙で、安倍総理は、徹底した憲法隠しで選挙をやり過ごしながら、開票翌日の記者会見で、いかに我が党の案をベースにしながら三分の二を構築していくか、これがまさに政治の技術だと言い放ち、立憲主義を著しく踏みにじっています。

昨年九月の安保法制、戦争法案の強行で立憲主義を踏みにじって以来、安倍政権の強権・暴走政治に歯止めがなくなっていると言うべきです。

南スーダンPKOへの自衛隊の派遣に当たって、深刻な内戦が国際社会において厳しく指摘をされながら、戦闘を衝突と言いくるめ、武器使用を辞さない新任務の閣議決定を強行いたしました。

沖縄問題では、参議院選挙中、県民の心に寄り添うとまで言いながら、新基地建設反対の民意が明確になったにもかかわらず、その翌朝、高江でのヘリパッド建設を強行し、話合いを拒否して沖縄県を一方的に提訴し、法律を無視して辺野古新基地建設の工事を再開するなど、恐るべき強権を振るっています。そうした下、県民の怒りと懸念を裏付ける米軍オスプレイ墜落事故が発生をいたしました。県民の怒りは沸騰しています。

今国会においてはどうか。TPP承認案、年金カット法案、カジノ推進法案と、毎週毎週衆議院においての強行採決を繰り返し、会期延長にもかかわらず今この時点での今日の事態をつくり出したのは、まさに安倍総理ではありませんか。一体国会の審議と議決の重みを何だと心得ているのか。国会の自殺行為にほかなりません。そうした中で、安倍総理は、私の言うことが理解できないなら何時間議論しても同じだなどと言い放ち、国会の審議を自らが踏みにじり愚弄する、そうした発言まで行うに至っています。

TPP協定をめぐってトランプ次期米大統領が離脱を宣言する下で、直近の世論調査では、今国会にこだわらず慎重に審議すべきである、承認の必要はないなどが合わせて八三%にも上りました。にもかかわらず、総理は、この国民の意思と懸け離れた国家の意思なるものを示すと称して協定の批准を参議院で強行させました。独り善がりも極まれりと言わなければなりません。

さらに、カジノ法案ではどうでしょうか。衆議院の強行採決以来、とりわけ世論、そして様々なメディアや専門家の怒りは広がり、圧倒的多数がマイナスの影響を懸念し、慎重審議を求める中、それらをことごとく踏みにじろうとしているのが、カジノが成長戦略の目玉だとして旗振り役を演じてきた安倍総理自身であります。

以上、安倍内閣は問責をされるべきであり、国民の怒りをしっかり受け止めて、本会議場において堂々と議論し、決すべきであるということを繰り返し申し上げ、私の意見といたします。