○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

柳検査官候補が、この同意人事の手続が早くにされていれば欠格していなかったのにと、そのことについて何か思いがありますか。

○参考人(柳麻理君) 私の任期は十二月七日で満了いたしました。十二月七日に満了するまで検査計画等の検査官会議に専心してまいりました。

検査官の任命、あるいは国会の召集等については、これは私が特段述べることはございませんが、私が退官した後も検査官会議が行われ、二人の検査官の合議によって滞りなく検査官会議が行われたというふうに認識しております。

○仁比聡平君 ありがとうございます。

憲法に基づいて臨時国会の召集を要求していた野党として極めて残念に思っております。

会計検査院は、これまでもお話がありましたけれども、憲法九十条に立脚する機関です。会計検査院法によって、何より内閣に対する独立の地位に立って、国の決算及びあらゆる行政機関に対して何のタブーなくメスを入れることが求められている、それが憲法上求められているということが極めて重要だと思うんですね。

その関係で、秘密保護法と会計検査について、午前中と重なるかもしれませんが、少し伺いたいと思うんです。

毎日新聞の昨年十二月八日の記事に「秘密保護法「憲法上問題」 検査院が支障指摘」という大きな見出しの記事が出まして、冒頭部分を紹介しますと、「特定秘密保護法案の閣議決定を控えた二〇一三年九月、法が成立すれば秘密指定書類が会計検査に提出されない恐れがあるとして、会計検査院が「すべてを検査するとしている憲法の規定上、問題」と内閣官房に指摘していたことが分かった。」という記事なんです。

このときに参考人は検査官をお務めだったと思いますが、どういう趣旨か御説明をいただけるでしょうか。

○参考人(柳麻理君) 特定秘密保護法と憲法九十条でございますが、憲法九十条は御指摘のとおり大変重要な会計検査院の機能を規定しております。つまり、決算を全て毎年会計検査院が検査をするということは、取りも直さず政府の財政活動というものの責任解除をするということの意味であり、財政民主主義の基本であるというふうに認識しております。したがいまして、全ての事柄について情報を得て、そして会計検査を行うということが国民にとって非常に重要なことであるというふうに思います。

そのことに関しまして、法令協議の際に会計検査院から、このような規定、十条一項でございますけれども、その規定に基づいて情報が、必要な情報が提供されないおそれがないか、安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるというふうに認められる場合がないかどうかということについて、内閣の情報調査室と協議をしていたところであります。

会計検査というものは、先ほど申し上げましたとおり、非常に重要な公益上の必要があるものでありまして、これまでも安全保障に関わるようなそういう情報を全て会計検査院は会計検査のために入手をし、そして会計検査を行ってきたところであり、この特定秘密保護法によってそれが阻害されるものではないということを了解しているところであります。

以上です。

○仁比聡平君 今お話に出た、会計検査院と内閣情報調査室の間でこの時期に頻繁なやり取りがされたと、双方の応酬をされた文書を私拝見をしております。

その中で、内閣官房情報調査室が、万が一、行政機関の長において、そのようなおそれ、つまり我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない場合には、貴院と当該行政機関との間で調整を行い、そのようなおそれがないと認められる方法等により提供を受けることは可能であるから九十条には反しないという弁明をしているんですね。そのようなおそれがないと認められる方法等によりというふうに提供の仕方を定めるのは誰かと。それは、特定秘密を保有し、指定している行政機関の長の側なんですね。検査を受ける側が、検査の権限を憲法上重く定められている検査官に対して、私が判断したから出さない、私が判断する形でしか出さないと、これは検査ではないではないかと。この内閣官房の見解に対して適切に検査院の法規課の方が、最終的に検査を受ける行政機関の長において我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすと認めた場合には特定秘密が提供されないこととなると批判をしております。これは憲法九十条に反するというんですね。

現実にそのようなことが仮にまだ起こっていないにしても、そうした可能性が法令上存在すること自体が憲法に反するではないかという検査院の当時の指摘に対して、候補者はどう思われるでしょうか。

○参考人(柳麻理君) 御指摘のとおり、憲法九十条に規定されている会計検査院の権能というものは、最終的には国民の、会計検査というものが非常に公益上特に必要と認められる場合であって、そういった特に公益上の必要が認められる場合であって会計検査に必要とされる情報は全て入手されなければならないということが保障されなければいけないというふうに私は考えております。それが国民に対する説明責任であり、会計検査院に与えられた重要な使命であるというふうに考えておりますので、そのような行政機関の長が、おそれがあるという、おそれがないわけでは、ない場合ではないというようなことを、ということで情報提供を拒否するようなことがあった場合には、会計検査の重要性に鑑みて、憲法上の国民の、結局は国民の福利厚生に資する会計検査でありますから、必要な情報は入手して会計検査を行うべきであるというふうに考えております。

○仁比聡平君 そうしたやり取りにもかかわらずなお改めようとしない内閣というその状態に対して、右崎憲法学教授が、「特定秘密という「聖域」をつくって検査対象から外すやり方は事実上の憲法改正に等しい。」と、会計検査院頑張ってくれと、そうしたコメントを出されているんですけれども、これから同意がされれば臨んでいく決意を最後にお伺いしたいと思います。

○参考人(柳麻理君) 会計検査というものは本当に国民に対する説明責任、国家の財政活動に対する国民に対する説明責任、国会がそれを解除するという、国会に対してそれを解除するということの大きな責務を持っているというふうに認識しておりますので、会計検査が滞りなく行われるように、また、内閣も各行政機関に対して情報を提供するようにという通達を適切なときに出すというふうにも聞いておりますので、そのように、もし検査官に任ぜられましたら、厳正に会計検査というものを実施していきたいというふうに考えております。