国営諌早干拓事業で設置された潮受け堤防の排水門開門を求めている訴訟で、「『よみがえれ! 有明海訴訟』を支援する大牟田の会」は11月28日夜、福岡県大牟田市の市総合福祉センターで報告集会を開きました。市民や漁業者ら95人が集まり、日本共産党の仁比聡平参院議員・比例候補も出席しました。
集会は、開門に向け、情勢を学び、市民らの活動参加を呼びかけるために行われたもの。馬奈木昭雄弁護団長は「政権が代わり、農業と漁業が両立する事業を進める歴史的転換点だ」と訴えました。
堀良一弁護団事務局長が、アオコの発生など海の現状や裁判の情勢、開門調査は即できる状況であることなどを説明。原告の中尾俊秋さん(69)は餌がなく食べてしまうため足の本数が少ないタコが多く取れる現状を告発。「国は過ちを犯している。うまく言えないが、漁民は待ったなしのところまで追い込まれている」と訴えました。
弁護士として訴訟にかかわってきた仁比参院議員もあいさつ。「国は開門に向けた協議の場をつくるイニシアチブをとるべきだ」と指摘しました。
訴訟で、昨年6月の佐賀地裁判決は漁業環境の悪化を認め、開門を命じました。現在は国が福岡高裁に控訴し、係争中です。集会では、今後、開門を拒み続けている長崎県知事への開門要請署名を広げていくことなどが確認されました。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年12月3日)