諌早湾干拓事業による深刻な漁業被害がでていることから、長崎県雲仙市の瑞穂漁協の石田徳春組合長らが4月8日上京し、日本共産党の仁比そうへい参院議員に水門の一日も早い開門調査の実施を求めて協力を要請しました。要請したのは、石田組合長はじめ同漁協の室田和昭副組合長、長崎県国見漁協の宮本幸盛さん、有明海漁民・市民ネットワークのメンバーら。

 石田組合長は、2月に開いた総会で全会一致で潮受け堤防の開門を求める決定をしたことを紹介。アサリの水揚げが激減したデータを示し、「瑞穂漁協は、市内の住民や沿岸の地域を災害から守るという大義をいわれ、苦渋の選択をして干拓事業に賛成した。しかし、13年たつ現在も漁場の再生がなく、このままでは漁民が1人もいなくなってしまう。(堤防内の)調整池の水質が最悪の状態になる前に、(開門して)海水を入れ、元の海に戻してほしい。漁民は農業に影響を与えないような形での開門を望んでいる」と語りました。

 国見漁協の宮本さんは「自然が崩壊し、貝も魚も取れなくなっている。タイラギ(貝)が全滅したときには、海にもぐると、貝が立ったまま全部死んでいるのにはびっくりした。潮の流れが変わって育たなくなった」と被害の深刻さを訴えました。

 仁比議員は、自身の国会質問にふれながら「瑞穂漁協が全会一致で開門に賛成したことは大きなインパクトとなり、現在の政府与党内の動きにもなった。元の自然豊かな宝の海にもどすために力をあわせてがんばりたい」と激励しました。(しんぶん赤旗 2010年4月9日)