国が定めた地域外で被爆したために被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(峰松巳会長)は5月11日、長崎市内で定期総会を開きました。島原半島など遠距離での原爆被害の実態を明らかにし、すべての原爆被害者を被爆者に認定させる取り組みを開始するとの新たな提起を行いました。
同会ではこれまで爆心地から12キロ以内で被爆した住民を被爆者と認めるよう求めてきましたが、爆心地から約30キロにいた人まで被爆者と認めた広島高裁の判決を踏まえたもの。
山本誠一同会事務局長は「米マンハッタン管区原爆調査団や理化学研究所により、放射能が12キロより以遠でも測定されたというデータはあるが、遠距離で被爆した人たちの証言はこれまで集めていなかった」と述べ、島原半島で「死の灰を浴びた」との証言もあり、「証言調査部」などをあらたに設置し、「これらの地域での被爆の実相を明らかにしていきたい」と語りました。
閉会あいさつで峰会長は「差別されている『被爆体験者』を必ず被爆者と認めさせるために努力していきたい」と力を込めました。
同会では国に対し、「広島高裁の判決を踏まえ、長崎のすべての原爆被害者を被爆者に認定すること」を求める要請書を提出することにしています。
日本共産党の、にひそうへい参院比例候補からメッセージが寄せられたことが紹介されました。(しんぶん赤旗 2022年5月13日)
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