日本共産党の仁比聡平議員は12月7日、参院法務委員会で統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済のための法案について、「被害者の深さと広がりを共有し、財産保全のありかたを検討して前に進むべきだ」と述べました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏は「仮差し押さえは個々の被害者の被保全債権の範囲内で行われ、保全される教団資産は一部に限られる」として、「民事保全されない資産の法的保全の必要性はないのか」とただしました。法案提案者の自民党の柴山昌彦議員は「潜在的な被害額は訴訟や本差し押さえで(強制執行が)可能だ」と答弁するのみでした。

 仁比氏は、「統一協会による被害の深さと広がりをつかみ、国として主体的、積極的に被害者救済に乗り出すべきだ。個々の被害者任せではいけない」と指摘。政府の解散命令請求も多数の民事判決や170人を超える被害者からの聞き取り、質問権行使によって得られた事実を積み重ねることで到達したものであることを明らかにし、「統一協会の被害は、1世、2世、親族の被害者を個別に分けて検証していても見えてきません」と包括的な保全を求める被害者有志の要望を示しました。

 「被害者を分断してはいけない」と迫る仁比氏に、自民党の山下貴司議員は「決して分断してはならない」としながら、「包括的な財産保全は必要性を明らかにするなど大きなハードルがある。民事保全の積み重ねで被害者が相談することを期待する」と述べるにとどまりました。(しんぶん赤旗 2023年12月8日)