日本共産党の仁比聡平議員は3月23日の参院法務委員会で、性犯罪にかかわる刑法改定に向けた法制審議会の議論が被害実態からかい離し、このままでは刑法の問題点が解決されないと当事者・支援者が声をあげていることをとりあげました。
仁比氏は、鹿児島のゴルフ練習場経営者による女子高生準強かん事件を例に、政府の姿勢をただしました。同事件は検察官が2度にわたり起訴を見送ったのに対し、市民で構成する検察審査会が2度「起訴相当」と議決し、性犯罪として初めて「強制起訴」されましたが、1月に最高裁で無罪判決が確定しました。
仁比氏は、刑法の教科書『注釈刑法』(1965年)が、強かん罪構成要件について「些細な暴行・脅迫の前にたやすく屈する貞操のごときは本条によって保護されるに値しないというべきであろうか」と記述している点について質問。法務省の林真琴刑事局長は「現在は裁判例で理解している」と述べるにとどまりました。
仁比氏は、捜査や公判で強かん被害者に「なぜ抵抗できなかったか」と問うことが当たり前になっているのは「人権侵害だ」と批判し、国連女性差別撤廃委員会の勧告どおり、法曹関係者への関連条約理念の啓発徹底を求めました。(しんぶん赤旗 2016年3月31日)